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2026.09.11 23:42

AIエージェントがウォレットを持ち始めた。コンプライアンス層も追いつきつつある

Adobe Stock

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AIエージェントがウォレットを保持し、支払いを決済するようになり始めているが、金融業界にはあるエージェントと別のエージェントを区別する標準的な方法がない。Solowin Holdingsは4月、Standard Charteredのベンチャー投資部門であるSC Venturesと、AGENPAYと呼ばれるAI決済プロジェクトを育成する覚書を締結した。Nasdaqに「AXG」のティッカーで上場しているこの香港企業は、その基盤となる仕組みを、機械取引相手に検証可能なアイデンティティを付与するコンプライアンスエンジン「Know-Your-Agent(KYA:顧客エージェント確認)」として販売している。

エージェントは銀行口座を開設できるのか

「エージェントは銀行口座を開設できるようになるのだろうか。JP Morganがエージェントのために口座を開設するだろうか」と、Animoca Brandsの共同創業者兼執行会長であるヤット・シウ(Yat Siu)はポッドキャスト番組「On The Margin」で語った。「おそらくそうはならないだろう。では、どうするのか。彼らはウォレットを持つ。ウォレットを持つエージェントは本質的に自律的な経済主体となり、単に取引するだけでなく、実際に物を購入し、さまざまな行動を起こすようになると我々は考えている。彼らはステーブルコインを利用できる。すでにHyperliquidで取引を行っているエージェントも存在する。私自身、現在280個のエージェントを稼働させてあらゆる作業を行わせている」

シウは、最終的なエージェントの人口を「少なくとも500億から1000億」と予測している。そして資金もそれに続くと見込んでいる。「オンライン広告の総収入は年間約9000億ドル(約139兆円)だ」と彼は言う。「そのすべてが、エージェントによって駆動される一種のトランザクション呼び出し型経済へとシフトしていくだろう」

「すでに始まりつつある次のステップは、AIエージェントが人間に代わって取引を開始することだ。彼らは支払いを実行し、サービスに登録し、今や金融取引さえも処理する可能性がある」と、Concordiumのチーフ・グロース・オフィサーであるヴァルン・カブラ(Varun Kabra)は「On The Margin」で述べた。「もう一方の取引相手、例えば航空会社や発券プラットフォームなどは、その取引の背後に責任を負うべき本物の人間が存在するかどうかを検証する方法がない。これは詐欺や、人間に成りすますボット、説明責任のないまま活動するエージェントなどに門戸を開くことになりかねない」

「私たちの金融エコシステム全体が主に人間中心に構築されていたため、すぐに気づくことになるだろう」と、t54 Labsの共同創業者であるチャンドラー・ファン(Chandler Fung)はインタビューで語った。「社会全体が信頼ビジネスなのだ」

大半の銀行はいまなおエージェントが顧客資金にアクセスすることを阻んでおり、Solowinは2026年を通じてそのギャップを埋めるための構築を進めてきた。

「現在、AIにはトランザクション層が存在しない」と、XDC Networkの共同創業者であるアトゥル・ケカデ(Atul Khekade)はインタビューで語った。「AIプラットフォームには、実際の取引を実行するために使用できるような収益化とコンプライアンスのレイヤーがない。保険会社、銀行、フィンテックプロバイダー、航空会社など、多くの企業が今、私たちのところに相談に訪れている」

Solowinの取締役であり、子会社AlloyXの共同創業者でもあるトーマス・ジュー(Thomas Zhu)は、2015年から2020年までGoldman Sachsの証券部門でエグゼクティブディレクターを務めた。その後、China Asset Management(Hong Kong)でデジタル資産部門を率い、同社は2024年にアジア初期のビットコインおよびイーサ現物ETFの一つを上場させた。

「コンプライアンスに準拠したガバナンスがなければ、AIとステーブルコインの統合は実験段階にとどまる」と、ジューは書面による質問への回答で述べた。

その下にあるレール

Solowinのバーレーン子会社は6月に同国中央銀行からステーブルコインの発行ライセンスを取得した。これは同枠組みの下で初めて付与されたライセンスである。コイン自体の発行はこれからだ。

「エージェントの本質は購買のアウトソーシングであり、購買をアウトソーシングしたことがある人なら誰でも、そこにはトレードオフが伴うことを知っている」と、ウォレットインフラ企業Paraの最高経営責任者であるニティヤ・スブラマニアン(Nitya Subramanian)は「On The Margin」で語った。「ウォレットは、オンチェーンで発生するあらゆる事象の認可とコントロールフローを司るレイヤーだ。すべてのチェーン、すべてのDeFiプリミティブ、オンチェーンで実行可能なあらゆるアクションはウォレットを経由する必要がある。この点をまだ十分に理解していない人が多いように感じる」

スブラマニアンは自分なら設定する制限について、「ステーブルコインを裏付けとするカードを作り、週に200ドル(約3万円)を入れて、Chipotleを買わせることができる」と述べた。「その場合、毎日私のChipotleのボウルを買うことだけが許可される」

暗号資産データ企業ArtemisのリサーチャーであるパトリックEキム(Patrick Kim)は、2026年に各銀行がこぞって追い求めた決済資産について、「On The Margin」でこう語った。「過去12カ月間で、ステーブルコインのユニークユーザー数は3億人を超えた。これは途方もなく大きな数字だ。5年前に誰かにこの話をしていたら、相手はあなたの目を真っ直ぐ見つめて『デタラメを言うな、ハッタリだろう』と言ったに違いない」

Reapの2026年ステーブルコインデータによると、8月13日時点の供給量は3080億ドル(約47兆4000億円)に達しており、現在はすべての主要銀行がステーブルコインをローンチすると予想されている

エージェントが取引するもの

「現実として、ここ数年の暗号資産業界が身を置いてきた世界は、いわゆる『地味な』ユースケースが多かった。プライベートクレジットのオンチェーン化や、株式のオンチェーン化といったことだ」とキムは言う。

ジューはエージェントにまさにそれらの資産を取引させたいと考えている。国債やマネー・マーケット・ファンドから始まり、不動産やプライベートクレジットへと移行し、それらを自社で構築するのではなく、サービスとして銀行に提供することを目指している。SolowinはFerionと呼ばれるトークン化プラットフォームを運営しており、4月にはSC Venturesも支援するシンガポールのプラットフォームであるLibearaの資金調達ラウンドに出資した

「トークンを所有し、そのトークン自体が資産であり、現物資産を所有していることになる。これらは異なるものだ。私たちはこれを『権原トークン化』と呼んでいる」と、インパクト投資プラットフォームKulaの共同創業者であるクリス・ターナー(Chris Turner)はインタビューで語り、800億ドル(約12兆3000億円)規模に上るトークン化への動きの背後にある区別について言及した。市場の大部分はそれよりも弱い形態をとっており、彼は「それは特定の資産の経済的上昇メリットに対する契約上のエクスポージャーを提供するだけであり、資産自体を所有しているわけではない」と指摘した。

制約要因となっているのは「法域をまたぐ法的承認、カストディ、そして規制遵守」だと、ジューは述べている。

事業の現在地

同社の報告書「Form 6-K」によると、3月31日までの通期売上高は895%増の2805万ドル(約43億2000万円)で、そのうち2220万ドル(約34億2000万円)がAIインフラ手数料によるものだった。同社はそれに先んじて支出を行っており、営業費用は4014万ドル(約61億8000万円)、純損失は1329万ドル(約20億5000万円)に達している。また、UAE、ASEAN、アフリカ地域への進出を目指し、AlloyXを3億5000万ドル(約539億円)の株式交換で買収した。

「私たちが新しい金融レールを手に入れたのは、おそらく1970年代のクレジットカードが最後だろう」とスブラマニアンは述べた。「それだけに、フィンテックや暗号資産の分野で構築に取り組むことは、私たちのキャリアの多く、あるいは大半にとって、最もエキサイティングな時期であることは間違いない」

「もしアクセスすることを拒み、『それとは関わりたくない』と言うのであれば、それは『インターネットを使いたくない』と言っているのと変わらない」とシウは語った。

forbes.com 原文

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