リーダーシップ

2026.09.11 23:28

リーダーよ、あなたが本当に掲げる「信念」とは何か?

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すべてのリーダーは、企業のミッションと価値観(バリュー)が、いかに組織文化や顧客満足度を牽引するものであるかを認識しなければならない。ミッションやバリューのステートメントは、単に壁に飾っておくためのものではない。CEOを筆頭とするトップから始まり、組織全体に浸透すべき信念であり、ビジネスの進め方そのものなのだ。リーダーシップ、経営幹部、マネージャー、そしてスーパーバイザーが、企業として本当に掲げたい理念に沿った行動をとるとき、魔法のような変化が起こる。

その結果として生まれるのは、従業員が定着し、より深く関与し、会社が何を大切にしているのかを理解する文化である。そして、組織の内側で起きていることは、やがて顧客にも伝わる。従業員が会社とその価値観を信じていれば、顧客はそれを感じ取ることができる。

例えば、コストコやチックフィレイ、トレーダー・ジョーズといった企業は、顧客中心の価値観が極めて明確であり、その企業と接するほぼすべての場面でそれを体感できるブランドの好例である。

筆者は先日、コロンビア大学ビジネススクールのクレイビス記念ビジネス教授であり、『What Do You Really Stand For?(あなたが本当に掲げる信念とは?)』の著者であるポール・イングラムに、ポッドキャスト番組『Amazing Business Radio』でインタビューを行い、組織全体で価値観をそろえることが、従業員と顧客体験の双方にどう直接的な影響を与えるかについて語り合った。以下は、その対話から得られた重要なポイントと、筆者のコメントである。

掲げる理念がすべてを形作る

コアバリューとは、企業の行動や意思決定を導く主要な信念である。企業のコアバリューが従業員の価値観、そして顧客が大切にしているものと一致すれば、全員が恩恵を受ける。

イングラムはこれを「アライメント(整合性)」と呼ぶ。従業員が皆同じように考え、行動する必要はない。ただし、組織が体現しようとする根本的な価値観は共有しているべきだという。

そして、この整合性には実際に価値がある。イングラムは、従業員の価値観を測定した離職に関する研究について紹介してくれた。それによると、価値観が組織の中核と一致している従業員は、転職を決断するために約40%の給与増額を必要とすることが分かったという。

考えてみてほしい。報酬は重要だが、自分が大切にしていることを同じく大切にしている組織で働くこともまた、それに匹敵する意味を持つのだ。

本物らしさは「本物」でなければならない

「本物らしさ(オーセンティシティ)」を偽ることはできない。スキルだけで採用してしまうと、その従業員の人柄や個人的な価値観が文化と合わなかった場合に問題となる。ディズニーは、候補者が最初の面接に到達するはるか前から自社文化に触れさせる採用プロセスで知られている。筆者のForbesの記事の一つで、元ディズニー「キャスト」(従業員)のテリ・ヤノビッチが、そのプロセスを紹介している。候補者は「キャスティング・センター」に足を踏み入れると、ディズニー流を紹介される。彼女は、入り口のドアノブが『不思議の国のアリス』からのモチーフだと気づいたことを覚えているという。面接の前にはビデオを視聴した。この事前プロセスによって、候補者はワクワクするか、あるいはそこで働きたくないと判断できるだけの十分な情報を得ることになる。

イングラムは、価値観を他人に強制することはできないと強調する。相手が最初からその価値観を共有していなければならないのだ。そうでなければ、不自然さ(偽り)が生じるリスクがある。だからこそ、価値観や文化への適合性(カルチャーフィット)を重視した採用は、才能や経験を重視した採用と同じくらい重要になり得る。

従業員第一主義

また、企業のコアバリューが顧客の関心事と一致すべきであるのと同様に、いや、それ以上に重要なのが、従業員の価値観と一致していることだ。イングラムは「会社を構成する人々の価値観が、会社が外の世界に示そうとする企業の価値観と食い違っていれば、うまくいくはずがない」と述べている。

どれほど才能があっても、企業の理念に合わない人材を採用すれば、それは採用の失敗となる。組織で働く全員が一致団結し、同じ方向を向いていなければならない。そうでなければ、顧客はそれに気づく。内部の足並みが乱れた組織がたどる結末は、従業員の離職と顧客の離脱である。

筆者はこれまで何度も書いてきた。組織の内部で起きていることは、外部の顧客に伝わる。つまり、顧客体験(CX)は従業員体験(EX)から始まるのだ。

リーダーは言行を一致させよ

リーダー自らが企業のコアバリューに沿った行動をとらなければ、従業員が同僚や顧客に対してそれと異なる接し方をすることを期待するのは無理というものだ。

イングラムはその違いを指摘する。リーダーは単に文化を命令することはできない。文化とは、組織の全員が共同で創り上げるものだからだ。しかし、リーダーには、彼が言うところの「最も増幅された声」がある。リーダーの発言と行動は、常に注目されている。つまり、リーダーは正しい模範を示すことで、文化を形成し、影響を与えることができる。リーダーシップとは、単に指示することではなく、身をもって示すことなのだ。

おわりに

では、リーダーの皆さん。あなた自身が本当に掲げる理念とは何だろうか。

従業員が自社の価値観を尊重し、受け入れることを期待する前に、あなた自身の価値観を明確にし、それを会社の価値観と一致させる必要がある。イングラムは、リーダーがこれらの価値観を特定し、常に手元に置いておくことを勧めている。彼がこれまで関わってきた経営幹部の中には、自分の最も大切な価値観を記したカードを財布に入れて持ち歩き、自分にとって何が最も重要かを定期的に再確認している人もいるという。

会社の価値観とは、壁に書かれているものやウェブサイトに掲載されているものではない。それは、どのように採用し、どのように従業員に接し、どのように意思決定するかによって示される。それは、リーダーの振る舞いから始まるのだ。

そこを正しく実践すれば、従業員はあなたが何を掲げているのかを理解する。そして、従業員がそれを理解し、一致団結したとき、顧客もそれを実感することになる。

forbes.com 原文

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