私の知るすべてのリーダーが、これまでに一度は、的外れだと感じられる人事評価を受けた経験を持っている。示された事実は正確だったかもしれない。しかし、それは不完全なストーリーを伝えているにすぎない。あるマネージャーは強力なチームを引き継いで優秀に見える。別のマネージャーは混乱したチームを引き継ぎ、2倍の努力を重ねたにもかかわらず、平凡な評価に終わる。スコアボード(結果)はその違いを認識しないし、評価を書き下す人物も大抵の場合、それを理解していない。
これは人材管理における最も古い課題だ。私たちは、リーダーが一部しかコントロールできない結果によって彼らを測定し、その結果を、たまたまその場に居合わせた人物の主観というフィルターに通してしまう。すべての企業が客観的な人事評価を望んでいると言う。しかし、それを構築するための信頼できる方法を見出している企業は極めて少ない。ギャラップ社の調査によると、フォーチュン500企業のCHRO(最高人事責任者)のうち、自社の人事評価システムが実際に従業員の成長を促していると強く同意しているのは、わずか2%にとどまる。解決策には常に「より優れた主観」が必要とされるように見えるが、主観こそがそもそも最も不確実なものなのだ。
私は、この問題が思いもよらない場所で解決されているのを発見した。プロフットボール界だ。筆者は先日、NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のコーナーバックとして13シーズン活躍し、その後9年をかけてコーチのパフォーマンスを客観的に測定するシステム「Coaching AI(コーチングAI)」を構築したジェームズ・ヘイスティと対談した。彼の前提は、言葉にするのは容易だが、構築するのは困難だ。コーチの評価は、リーグ全体の平均ではなく、実際に与えられた状況の難易度を反映すべきだというものだ。戦力の劣る選手層を抱えるコーチと、スター選手が揃った選手層を抱えるコーチは、勝数が同じであっても同じ仕事をしているわけではない。そのため、彼らを同じ基準で評価することは決して理にかなっていなかった。ヘイスティが構築したシステムは、各コーチを、自チームの選手が実際に対峙した相手チームの具体的な実力と比較する。これにより、戦力の乏しいチームを率いる優れたコーチと、優れたチームを率いる凡庸なコーチの違いが、ついに浮き彫りになる。
企業経営におけるリーダーシップとの類似は明白であり、ヘイスティ自身がそれを直接的に重ね合わせている。彼が語った内容は以下の通りだ。
1. 評価方法を修正する前に、基準を修正する
ヘイスティによれば、評価において最も一般的な過ちは、全員を一律の平均値と比較して測定することだという。「勝利だけが評価基準になると、素晴らしい選手層を引き継いだコーチは、プレッシャーのかかる状況での経験が不足しているにもかかわらず、過大評価される傾向にある」
彼のシステムは、リーグ全体の基準ではなく、各コーチに実際に与えられた状況の具体的な難易度と比較することで、この問題を是正する。彼は企業との類似性をこう説明する。「戦力の乏しいチームを率いるコーチに相当するのは、崩壊したシステムや劣悪な企業文化を引き継いだエグゼクティブだ」。そうしたエグゼクティブが組織を安定させても、その功績が正当に評価されることは滅多にない。なぜなら、スコアボードには最終的な数値しか表示されず、スタート地点がどこであったかは示されないからだ。
2. スコアボードだけでなく、意思決定に注目する
基準を修正することが意味を持つのは、適切な対象に目を向けている場合のみだ。ヘイスティは、最も困難でスマートな仕事をしているリーダーが見過ごされがちなのは、彼らのスキルが最終スコアではなく「意思決定の質」に現れるからだと語る。彼は、スペシャルチーム、ラインバッカー、ディフェンシブバック、そしてコーディネーターなど、さまざまなポジションでの経験を持つコーチを例に挙げた。彼らは、単なる戦績データでは捉えきれない判断力をもたらす。ヘイスティのCoaching AIシステムは、プレーの指示(プレイコール)だけでなく、発言も分析し、プレッシャーの下でコーチがどのようにコミュニケーションをとっているかを評価することで、その判断力を直接観察しようとしている。
彼は、リアルタイムでリーダーシップの決断力を観察し、指導の明確さを評価し、声のトーンを解釈することを目標として説明した。マネージャー評価の改善を試みるCEOに対する彼の提言は、チームが引き継いだ結果に基づいてマネージャーを採点するのをやめ、プロセスの中で、特にプレッシャーや混乱の中で下された意思決定の質を採点し始めることだ。
3. 測定を止めるべき境界線を正確に知る
ヘイスティが語った最も有益な指摘は、何を測定すべきでないかについてだった。「客観的な測定は、根本的に人間的であり、関係性や感情に関わるコーチングの要素を数値化し始める直前で止めるべきだ」
共感力や道徳的勇気、文化の構築などは、誰も見ていないところでの振る舞いに現れるものであり、採点されるのではなく、解釈されるべきものだと彼は言う。これこそが、多くの人事評価システムに完全に欠けている規律、すなわち、厳格な指標を構築する確信と、それが及ぶべきでない境界線を知る自制心である。
ここにある本質的な教訓は、フットボールやAIに関するものではない。主観的な評価に対する解決策とは、より優れた主観を探し求めることでは決してなかったということだ。それは、リーダーに実際に与えられた状況を考慮した比較を行うこと、そして、リーダーシップのどの部分をそもそも数値に還元すべきではないかを見極める判断力を兼ね備えることである。スポーツ界はスコアボードの上でその答えを見出した。私たちは、今も会議室の中でその答えを模索している。



