Care.comが発表した介護に関する最新調査において、最も重大な数字は時間やお金に関するものではない。実は「沈黙」に関するものだ。育児と介護を同時に担う「サンドイッチ世代」のケアラーのうち、66%が自らの介護・育児負担の全貌を雇用主に隠していると回答している。
このような二重のケアに従事する人の3分の2が、実際よりも負担が少ないように会社に思わせておくことが、最も安全な策だと判断しているのだ。
想定より9年早い到来
かつてサンドイッチ世代といえば、40代後半のジェネレーションXを指す言葉だった。しかし、その定義はもはや古い。Care.comが1000人を対象に実施した調査によると、育児と介護を同時に担い始める平均年齢は34歳で、両者が重複する期間は平均6.4年に及ぶ。また、80%がその始まりは突然で、不意を突かれたと答えている。
34歳という年齢は、キャリアの停滞期ではない。共同経営者(パートナー)への昇格や、初めてディレクター(部長職)の肩書を手にするときであり、あるいは迷いを捨てて自らの事業に全力を注ぎ始める時期だ。つまり、今後20年間の生涯賃金を決定づけるまさにそのタイミングで、ケアの負担が押し寄せるのである。
サンドイッチ世代のケアラーは、ケアの手配や調整、実際の介護・育児に週平均24時間を費やしており、母親にいたっては27時間に達する。どう見てもこれは「第二の仕事」であり、本業が軌道に乗り、成果が積み上がるべき大切な時期に、その上に重くのしかかっている。
キャリアへの代償
キャリアに及ぼす影響はすでに顕在化しており、かつてこの言葉が想定していた世代よりも、ミレニアル世代により深刻な打撃を与えている。
サンドイッチ世代のケアラーの55%が、ケアの責任を理由に昇進や昇給、あるいは新たなチャンスを断っている。ミレニアル世代ではこの割合が61%に達し、ジェネレーションXの38%を大きく上回る。また、66%がキャリアへの野心が薄れたと語り、55%が仕事を完全に辞めることを検討したことがあると答えている。
36歳での昇進辞退は、単なる先送りではない。それは複利効果が得られない機会損失を意味し、その後の役職や株式付与の計算基準が低いまま据え置かれることになる。重複する6.4年間で計算すると、自己負担する直接的なケア費用を考慮する前の段階でも、多くのプロフェッショナルにとってその経済的損失は6桁ドル(10万ドル(約1540万円)以上)に達する。
誰も口にしない理由
状況を隠し通そうとする姿勢は極めて合理的であり、だからこそ、これは個人の問題ではなく制度の敗北なのだ。
ケアラーの56%は、雇用主から「仕事への熱意が薄れている」とすでに見なされているのではないかと不安を抱いている。しかも、その不安は、従業員の半数以上が「選択の余地なく、必要に迫られて現在の職に留まっている」と答え、54%が「雇用の安定と引き換えなら減給を受け入れる」と回答しているような時期に生じている。リストラなどの理由探しが行われていると思われる状況下で、自らその理由を上司に差し出すような真似はできない、というのが本音だろう。
それに、打ち明けたところで、受け皿となる制度がほとんど存在しない。約5500の組織を対象としたSHRMの2026年従業員福利厚生調査によると、高齢者介護サービスや情報へのアクセスを提供している割合はわずか11%(前年は7%)にとどまる。また、別のNFPによる休暇管理に関するレポートでは、家族介護休暇を提供している雇用主はわずか30%で、その大部分が有給期間を3週間未満に設定していることが明らかになった。労働者は、家族の退院手続きなどのために有給休暇を消化し、それを「休暇」と呼んで取り繕っているのが現状だ。
この世代は、人事評価の面談でメンタルケアに関する言葉を標準的に使い、職場で「境界線(バウンダリー)」という言葉を口にすることを当たり前にした世代だ。しかし、その同じ世代が、階段の踊り場で介護施設からの電話をこっそり受け、チームのメンバーには「歯医者に行っていた」と言い訳しているのだ。
秋に確認すべきこと
福利厚生の選択期間(オープン・エンロールメント)が数週間後に迫る今の時期は、福利厚生に関する質問に対して、具体的な回答を引き出せる貴重なチャンスとなる。
知っておくべき具体的な変更点が1つある。2026年、非課税となる扶養ケア口座(Dependent Care Account)の限度額が7500ドル(約116万円)に引き上げられ、これは育児だけでなく、要件を満たす高齢者介護も対象となる。しかし、多くの従業員は、この説明の後半部分を知らされていない。
パンフレットを読むよりも、人事責任者に直接次の3つの質問を投げかける方が、実態がよく見えてくる。介護休暇の対象に親は含まれるのか、それとも配偶者や子どもだけなのか。代替ケアサービスに高齢者の介護は含まれるのか。フレキシブルな働き方は明文化された制度なのか、それともマネージャーの裁量に委ねられているのか。家族が脳卒中で倒れたような緊急事態においては、この両者の違いが極めて大きな差となって現れるからだ。
雇用主が直面している課題は、彼らが考えている以上に深刻だ。ピュー・リサーチ・センターの調査によれば、成人の約4分の1がサンドイッチ世代に該当し、その中でミレニアル世代が占める割合は上昇し続けている。幼い子どもが1人いて、両親は2人とも健在という従業員を想定して作られた福利厚生パッケージは、もはや労働力のごく少数派にしか対応できていない。
現状を隠している66%の従業員は、仕事を免除してほしいと求めているわけではない。彼らは、50代になってから始まると聞かされていた事態に直面し、週24時間のケアを何とかやりくりしながら、仕事の成果も出し続けている。彼らが(あえて口にしないことで)問いかけているのは、「正直に話しても、自分の立場は守られるのか」ということだ。



