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2026.09.11 22:36

フィジカルAIが開く、業務分析の新たな地平

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現実世界を認識し、推論し、行動を起こすためにAIとハードウェアを統合する「フィジカルAI(Physical AI)」は、無視することのできない、急速に台頭しつつあるビジネス機能だ。PwCは最近の報告書で、フィジカルAI市場は2030年までに約4500億ドル(約69兆4000億円)に達し、より広範な支援エコシステムを含めれば1兆ドル(約154兆円)規模になる可能性があると推計している。キャップジェミニのこのテーマに関する調査では、フィジカルAIは一部のセクターでデジタルAIに匹敵、あるいは上回る可能性があり、同社が調査した組織の10社中8社近くが、実験段階から導入段階に至るまで、すでにフィジカルAIに取り組んでいることが示されている。

リーダーにとって大きな実用性をもたらし始めているフィジカルAIの一領域が、建物、部屋、その他の物理空間とAIの統合、そしてそこから得られる業務上の洞察である。提供企業と購入企業は、これが業務効率を高める機会を生むことを急速に認識しつつある。実際、フィジカルAIの価値が最も早く現れる領域の1つは、ロボットが物理的に何かを行うことではなく、これまでデジタル世界でしか可能でなかった方法で、AIが物理世界をますます測定可能にすることかもしれない。

フィジカルAIが解き放つ業務上の洞察

主にソフトウェアやデジタル環境で動作するデジタルAIとは異なり、フィジカルAIはセンシング、コンピューティング、物理システムを組み合わせて現実世界を知覚し、相互作用する。今日の身近な用途には、工場ロボット、汎用ヒューマノイド、自動運転車がある。特筆すべきは、フィジカルAIの応用範囲が急速に拡大していることである。

ババク・ベザードは、シリコンバレーに拠点を置くVerkadaのエンジニアリング責任者だ。同社は創業10年のエンタープライズ物理セキュリティ企業であり、各種センサー、アラーム、スマートビデオカメラ、AI、専用ソフトウェアを用いて、人や場所の保護を支援している。コンピューターサイエンスの博士号を持ち、AI開発に数年間携わってきたベザードにとっての優先事項の1つは、Verkadaのインテリジェンス層の展開と強化を主導し、映像取得データからリアルタイムおよび蓄積された深い洞察を引き出せるようにすることだ。

Verkadaはこれまで、ドアリーダー、インターホン、物理的侵入検知システムなど一般的なセキュリティソリューションを提供してきたが、高度なAIをセキュリティカメラとソフトウェアに統合したことで、特に幅広い文脈でのオペレーショナル・アナリティクスの提供において、まったく新しいフィジカルAIの機会が開かれた。

物理世界を測定可能にする

繁華街の店舗の売り場に向けられたAI搭載のスマートカメラは、環境を知覚し、推論し、必要であれば潜在的な窃盗が進行中である可能性を管理者に警告できる。

こうしたシステムはフィジカルAIの初期形態を示しており、物理環境を認識し推論する能力から始まり、次第に行動を起こす段階へと進みつつある。

特定の行動によって発動されるレポートやアラームに加え、自然言語インターフェースを通じて、管理者やその他のスタッフは単に質問を入力するだけで、AIがリアルタイムまたは事後にその解釈を返してくれる。

しかし、こうした能力は、現在可能になっていることの始まりにすぎない。

少し前まで、コンピュータービジョンシステムが特定の活動を認識するには、通常、タスク固有の大量のトレーニングとラベル付きのサンプルが必要だった。現在では、マルチモーダル基盤モデルや視覚言語モデルがはるかに広い範囲のタスクに汎用化できるようになり、ユースケースごとのトレーニングや分類の必要性を大幅に減らしている。

こうした近年の計算能力の飛躍は、豊富な分析ユースケースへの扉を開き、市場からの関心を高めている。

ベザードによれば、今日のフィジカルAIによって、経営者はEコマースサイトを分析するのと同じ方法で、実店舗の空間を理解できるようになる。ウェブサイトは、誰が訪問しているか、どこから来てどこへ行くか、滞在中に何をするか、どれくらい滞在するかなどを驚くほどよく把握できる。フィジカルAIは今、以前は不可能あるいは極めて困難だったレベルで、これを現実世界で可能にしている。実質的に、フィジカルAIは、デジタル環境が長らくクエリ可能であったのと同じように、物理環境をクエリ可能にし始めているのだ。

こうした業務上の洞察は、管理者が物理空間について知る内容を一変させる。ここでフィジカルAIは、オペレーショナル・アナリティクスの強力なエンジンとなる。

もっとも、現在多くの動きが見られるのは小売空間だが、それに限られるわけではない。

教育キャンパス、病院、製造業、空港に導入されれば、明らかなセキュリティ用途を超えて、フィジカルAIはあらゆる種類のタイムリーな分析を支援できる。例えば倉庫では、イベントの発生前、発生中、発生後に、コンプライアンス上の問題や事故について正確な洞察を得ることができる。空港では、カーブサイドから搭乗ゲートまでの旅客動線に関する詳細な洞察をより深く理解し、ほぼリアルタイムで変更を加え、その教訓を将来の運用に生かすことができる。

業務上の洞察から行動へ

業務上の洞察への需要が高まり続ける一方で、ベザードは今後の方向性にも目を向けている。次の飛躍は、より多くの洞察を行動へと変換することにあると彼は言う。例えば、スマートカメラが工場内の危険な状況を認識した場合、AIが生成した音声をスピーカーから流し、状況を説明するとともに、危害を避けるために取るべき行動を含めて、影響を受ける人々にメッセージを届けることができる。

信頼性、空間認識、安全性、そしてこうしたシステムへの信頼が向上するにつれ、フィジカルAIが人間の関与から独立して自律的に行動する能力は高まっていく。これらの判断は業界や文脈に応じて異なり、各組織がAIの自律性をどこまで許容するかに左右される。

現時点で明らかなのは、フィジカルAIの台頭が単に自動化やプロセス最適化を拡大する機会にとどまらないということだ。それはまた、リーダーが自社のビジネスと顧客を理解する方法を劇的に改善し得る、アナリティクスの新たなフロンティアを切り拓きつつある。

forbes.com 原文

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