リーダーシップ

2026.09.11 22:01

優秀な人材を遠ざける、リーダーの5つの無意識な選択

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必要なスキルや経験を持つ人材が見つからないという雇用主の悩みは尽きない。しかし、人手不足や人口動態の変化、スキルギャップを理由にする前に、リーダーは別の可能性を考慮すべきかもしれない。それは、自社の採用・人材育成の慣行が、自ら人材プールを狭めているのではないかということだ。

組織は、誰もが採用したがる能力を「誰が育成しているのか」を問うことなく、同じ経験豊富な人材を奪い合っていることが多い。同時に、採用要件やキャリアに対する固定観念、誰を育成するかという決定が、優秀な人材を真剣に検討する前に排除してしまっている。

人材不足の一部は現実である。リーダーは人口動態、経済状況、労働供給のあらゆる変化をコントロールすることはできない。しかし、組織が実際にどれだけの人材を可視化できるかを左右する前提やシステムはコントロールできる。

見直すべき5つのポイントを紹介する。

1. 潜在的な労働力を狭く定義しすぎている

数十年にわたり、経済学者や政策立案者は一般に、15歳から64歳を生産年齢人口と定義してきた。この慣例は統計上の比較には有用だが、人間の能力や労働参加の境界を示すものではない。

人々は64歳を超えても十分に働き、その参加率はさらに高まると見込まれている。2024年に公表された米労働統計局(BLS)の予測によれば、2033年までに65〜74歳が米国労働力人口の6.5%を占め、75歳以上がさらに2.1%を占めるとされる。65〜74歳の労働参加率は30.4%、75歳以上の労働参加率は10.1%に達すると見込まれている。

これと同じ原理は、すべてのキャリアのステージに当てはまる。育児や介護のために一時的に仕事を離れたり、再び学び直したり、転職したり、起業したり、引退後に復職したり、あるいは他の活動と仕事を両立させたりすることもある。予測可能な一直線のキャリア構築を前提とした人材評価システムでは、そのモデルから外れたキャリアを歩む人々が見落とされやすくなる。

このようなデータは長年、雇用主、経済学者、研究者、政策立案者が労働力の変化を理解するうえで役立ってきた。信頼できる独立した政府統計は、企業が労働供給を理解し、変化を予測し、人材に関する意思決定を行うための情報インフラの重要な一部である。

2. 能力ではなく「完全一致」で採用している

求人を出す際、まず「学位」「業界での経験」「同等職種での勤務年数」「特定のテクノロジーに関する知識」「類似業務の実績」といった応募要件を並べることが多い。

不可欠な要件もあるが、単にリーダーが「出会いたい理想像」を描いているだけの場合もある。

経済協力開発機構(OECD)の2026年の報告書『A Skills-First Labour Market(スキル優先の労働市場)』は、学位だけに頼る採用は、人材プールを狭める可能性があると警告している。特にキャリアパスの多様化が進み、フォーマル、ノンフォーマル、インフォーマルな学習を通じて能力を獲得する人が増えている現代においてはなおさらだ。OECDは、実際のスキルをより明確に可視化することが、生産性とイノベーションに必要な能力を雇用主が見極めるのに役立つと主張している。

これは採用基準を下げるという意味ではない。基準をより精密にするということだ。

リーダーは、入社初日から必要な能力と、優秀な人材であれば入社後に無理なく習得できる知識を区別すべきである。そうでなければ、実際の業務で極めて優秀な成果を収められる可能性のある候補者を、過去の経験が募集要項と完全に一致しないという理由だけで、不採用にしてしまうリスクが生じる。

「過去に全く同じ役割を果たした人」を探すのではなく、「その業務を成功に導くことができる根拠」を探すことを検討しよう。

3. 社内を見る前に社外を探している

時に、組織が「見つからない」と探している人材は、すでに社内に在籍していることがある

外部からの採用は常に重要である。新しい従業員は、組織が必要とする能力、経験、視点をもたらしてくれる。しかし、自動的に外部に目を向けてしまうと、もう一つの人材の宝庫が見えなくなってしまう。それは、必要な能力の大部分をすでに備えており、残りの部分をこれから伸ばすことができる既存の従業員である。

また、社内候補者は、外部の候補者がすぐには真似できないもの、すなわち組織、顧客、システム、人間関係、そして企業文化に関する深い知識を持ち合わせている。

しかし、社内異動や登用が活発になるかどうかは、マネージャーが「従業員が現在の役割を超えて何ができるか」を把握しているか、そして従業員が周辺のスキルを発揮する機会を与えられているかにかかっていることが多い。

組織は、すでに完成された外部人材の争奪戦に多大なリソースを費やす一方で、今いる従業員への投資を疎かにしてしまうことがある。

これは人材育成やリテンション(定着)に影響を与えるだけでなく、実質的な人材プールを狭めることにもなる。

4. キャリアの再構築を「リスク」と捉えている

従来の採用システムは、一貫性のあるキャリアを評価しがちである。しかし、実際のキャリア構築は年々、直線的ではなくなっている。

ケア(育児や介護など)のために仕事を辞めることもあれば、学び直すこともある。異業界に転職したり、起業したり、独立して働いたり、キャリアブレイクを取ったりして、現役時代のさまざまなタイミングで自らを再定義する人が増えている。

こうした経験こそが新たな能力を生み出す可能性があるにもかかわらず、一般的な選考プロセスでは、それらを単なる「キャリアの空白」や「逸脱」として解釈してしまいがちだ。

長寿化によってキャリアが長期化し多様化する中、この見方の違いは極めて重要になる。応募者の経歴書は「これまでどこにいたか」を語るが、その人が「次に何ができるか」を必ずしも示しているわけではない。

採用システムが関連する経験を評価すべきであるのは当然だ。しかしリーダーは、自社のシステムが現在の能力と潜在能力を評価しているのか、それとも単に「従来のキャリアパス」に最も近い過去を持つ候補者を優遇しているだけなのかを自問すべきである。

5. 優秀な人材との関係を完全に断ち切っている

組織は優秀な人材を惹きつけるために多大な努力を払う。しかし、優秀な従業員が去る際、多くの企業は実質的に彼らを将来の人材プールから排除してしまう。

人々が組織を離れる理由は、本人の能力や貢献度とはほとんど関係がない。転居、進学、家族のケア、別のチャンス、起業、あるいは現状とは異なる環境を必要とすることなど、理由はさまざまだ。

置かれた状況は変わるものである。

良好な関係のまま退職した従業員は、その後、新たな経験や能力、そして以前から持つ組織の知識を携えて戻ってくる可能性がある。元従業員が復帰できる仕組みを構築することは、現在の従業員や素性のわからない外部の応募者を超えて、人材プールを拡大することにつながる。

そのためには、単に元従業員の再応募を認めるだけでは不十分だ。リーダーはアルムナイ(退職者)との関係を維持し、復帰を好意的に受け入れる組織文化を作り、採用プロセスにおいて退職を「裏切り」と見なさないようにする必要がある。

給与支払い名簿から名前が消えたからといって、その人の才能が消えてなくなるわけではない。

リーダーが「見える視野」を広げる方法

人口動態の変化、技術革新、スキル要件のシフトは、今後も労働供給に影響を与え続ける。リーダーにこれらの要因をコントロールすることはできない。しかし、組織が「適任な人材」の定義をどれほど狭めているかをコントロールすることは可能だ。

そのためには、採用システムが誰をふるい落としているのか、育成予算がどこに使われているのか、社内の能力がどのように把握されているのか、非直線的なキャリアがどのように評価されているのか、そして元従業員に現実的な復帰ルートがあるかどうかを検証する必要がある。

アプローチ可能な人材プールとは、単に求職活動をしている人の数だけではない。どのような組織にとっても、誰が検討対象となるかを決定づけるのは、固定観念やシステムである。

「人材が不足している」と宣言する前に、リーダーはまず、自らがどれほど多くの人材を無意識のうちに排除してきたかを自問すべきである。

forbes.com 原文

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