2026.09.11 15:34

国立公園が野生生物、歴史、地域経済にとって重要である理由

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米国の国立公園は、自然保護活動家のウォレス・ステグナーによって「我々がこれまでに考え出した最良のアイデア」と称され、映画監督のケン・バーンズは2009年のPBSシリーズ『The National Parks: America's Best Idea(国立公園:米国最良のアイデア)』でこの言葉を用いた。これほど重要な地域を保全しているという点で、これらの公園は世界でも類を見ない存在だといってよい。

国立公園が重要な理由は、米国の歴史を保存し、米国の景観の風光明媚な特徴を開発から守るために設立された点にある。さらに、野生生物の保護、生態系のバランス維持、清浄な大気や水の確保にも不可欠だ。手つかずの景観を提供し、米国民がハイキング、ボート、水泳、キャンプなど、世界でも屈指の雄大な自然の中でレクリエーションを楽しむ場となっている。

しかし現在、米国の国立公園制度は、管理運営、資金、気候変動といった面で圧力にさらされている。たとえば英ガーディアン紙は、ヨセミテ国立公園が深刻な混雑に見舞われていると報じた。これは、同園が2026年に予約制を廃止すると発表し、さらにトランプ政権が国立公園局(NPS)の予算を数百万ドル削減し、職員も大幅に削減したことを受けたものだ。だからこそ、国立公園が単なる美しい自然以上の存在である理由と、良き来園者となる方法を理解することが、これまで以上に重要になっている。

米国国立公園制度の略史

国立公園制度は、米国で最も壮観で美しく、風光明媚な場所を保護する必要性から生まれた。この構想は早くも1832年に打ち出されており、当時、画家のジョージ・キャトリンがダコタ地方を探検していた頃にさかのぼる。キャトリンは、政府が介入してこの景観などを将来世代のために保全すべきだと提案した。彼は同様の考えを表明した多くの芸術家や探検家の1人だった。

彼らは、米国が西へ拡大するにつれ、自分たちが目にしていた劇的で独自の景観が、入植によって損なわれる危険にさらされていることを認識していた。政府が新設した地質調査を率いた探検家フェルディナンド・ヘイデンが、生物学者や動物学者とともにイエローストーン川の源流域を訪れたのは1861年になってからのことだ。その地域は、それ以前の1世紀にわたり、狩猟者や罠猟師を引きつけてきた場所だった。

ヘイデンはその保全を提言し、1872年、ユリシーズ・S・グラント大統領のもとで最初の国立公園としてイエローストーン国立公園が設立された。これは観光の経済的価値が認識される数十年前のことだった。

次いで1890年にセコイア国立公園、1899年にレーニア山国立公園、1902年にクレーターレイク国立公園、1890年にヨセミテ国立公園が続いた。現在では、メイン州のアカディア国立公園(1919年)からハワイ島のボルケーノ国立公園(1961年)まで、63の主要国立公園が存在する。

今日でも、国立公園はこれらの素晴らしい場所を現在と将来の来園者のために守ることを目的として設計されている。教育も前面に押し出されており、科学者たちがこれらの公園を監視する動きも増えている。公園は気候変動の影響を測る基準地点として機能している。これは、サンゴ礁が綿密に監視されているバージン諸島国立公園や、グレイシャー国立公園に残された氷河のようなデリケートな環境にとって特に重要である。

自然にとどまらない国立公園の重要性

米国の国立公園は、最も貴重な景観の一部を保護し、動植物や歴史的地域の聖域を提供している。また、訪れる人々にとって米国史の側面を目に見える形で、そして現実のものとして保っている。

国立公園は重要な経済の原動力でもあり、入園料は公園の維持管理に充てられる。その経済効果は公園周辺地域にも及び、近隣の町のホテル、キャンプ場、レストラン、店舗が来園者へのサービスから恩恵を受けている。2022年に国立公園を訪れた人々は、周辺地域で420億ドル(約6兆4800億円)以上を支出し、近隣コミュニティの観光業や運輸業で雇用を創出・支えている。

グランドキャニオン国立公園、ザイオン国立公園、グレートスモーキーマウンテンズ国立公園など、人気の高い国立公園では過密が深刻な問題となる場合がある。公園が混雑で圧倒されるのを防ぐため、一部の公園では予約制を導入している。しかし、その一部は内務省によって廃止された。過密地域では侵食や過剰利用が大きな問題となっている。

国立公園局は過去数年で職員の相当割合を失っており、全米国立公園保護協会(NPCA)は、こうした削減によりレンジャー主導のプログラムが減少し、維持管理が先送りされ、資源保護が弱体化していると指摘している

保全

国立公園の最も基本的な側面の1つは、保全のための防壁であることだ。多くの場合、希少で地球上の他のどこにも存在しない動植物を保護している。

グレートスモーキーマウンテンズ国立公園には30種のサンショウウオが生息し、その一部、たとえばアカホオサンショウウオは世界の他の地域には見られない。同園の水系は、南東部の数百万人の水需要を支えている。多くの公園と同様、農業、開発、林業といった商業的利害に対する防波堤の役割を果たしている。

国立公園は、流域や原生林の保護に貢献できる。公園の活動の多くは、1世紀前に保護を目的として設立された独特な生態系を維持することにある。これらの生態系が変化を許されたり損なわれたりすれば、広い地域に深刻な影響を及ぼす可能性がある。これらの公園は、科学者が監視、研究、保全を行う生きた実験室を提供する。そのため、気候変動を研究するうえでの基準点にもなる。

一般市民にとっては、壁のない教室として機能し、さまざまな生態系や、それらを保全するうえでの自分たちの役割を学べる場となる。

歴史と文化

米国の国立公園は、歴史的建造物、そして先住民の遺産や文化を維持するうえで不可欠だ。これは教育イニシアチブについて部族国家と協力することや、連邦プログラムの支援を通じて実現されている。たとえば、イエローストーン国立公園は実際にはショショーニ族、クロウ族、ノーザンシャイアン族の聖地の上に位置している。

国立公園は連邦土地を管理し、聖なる資源を特定・保護するために、部族国家と250を超える共同管理協定を締結している。部族国家は地元の生態系に関する意思決定や政策立案にも参加している。洞窟住居からキャニオン・デ・シェイやメサ・ヴェルデに見られる聖なる景観まで、ネイティブアメリカン遺跡の保護もまた極めて重要である。これには地元の文化的伝統の維持支援も含まれる。

コミュニティ

国立公園は、来園者が身体的・精神的健康を保つための重要な場を提供している。無数の散策路やハイキングコースが用意されており、景観の圧倒的な美しさは、心を落ち着かせストレスを軽減するうえで大きな効果をもたらす。

こうした利点を超えて、国立公園ではハイキングや釣りからキャンプまで、家族で楽しむ方法が無数にある。公園は子どもたちに遊びと屋外を楽しむ空間を提供する理想的な場所であり、家族の絆を深めることも多い。子ども向けのレンジャープログラムは、周囲の動植物への理解を深め、保全の重要性を教え、地球を守るよう子どもたちを鼓舞できる。

経済成長

国立公園は地域経済や中小企業の重要な支え手である。来園者の消費とインフラ投資を通じて地域の雇用創出を促進している。たとえば国立公園局の報告によると、2023年にイエローストーン国立公園を訪れた450万人の来園者は、園内および周辺地域で6億2300万ドル(約961億円)を支出し、地域で8560人の雇用を支えた。

来園者はどのように国立公園の保全に貢献できるか

来園者が国立公園を支える最善の方法は、責任あるレクリエーションを実践し、「トゥーロン(無知な観光客)」にならないことだ。これにはリーブ・ノー・トレース(痕跡を残さない)方針が含まれ、ゴミをすべて持ち帰り、野生生物を尊重し、指定された道を外れないことが求められる。キャンプサイトでは不要な照明を消し、光害を減らすことで、さらに一歩踏み込むことができる。

スペリオル湖にあるアイル・ロイヤル国立公園のような知名度の低い公園を訪れることで、イエローストーンのような有名公園へのオーバーツーリズムの影響を和らげることができる。

さらに、国立公園でボランティア活動に時間を割き、トレイルの整備、キャンプ場の清掃、レンジャーステーションでのガイドを務めることもできる。国立公園局ボランティアプログラムは、そうした機会を探すのに最適だ。ナショナル・パーク・ファウンデーションや全米国立公園保護協会への寄付も常に歓迎されている。国立公園は自らを守ることができず、継続的な資金、賢明な管理、そしてコミュニティの支援を必要としている。

国立公園を守ることが将来世代にとって重要な理由

森林と湿地は二酸化炭素を吸収することで気候面での恩恵をもたらし、将来世代のためのよりクリーンな地球づくりに貢献する。保護された流域についても同様で、将来世代に清浄な水を提供できる。公園はまた、ネイティブアメリカンの歴史と聖なる部族の土地を守り、保全している。米国の国立公園は、米国人が「スチュワードシップ(自然界に対する責任感と配慮の精神)」を育む場所であり、これが理想的には長期的な保護につながる。

連邦政府はこれらの予算を削減し続けており、季節職員も常勤職員も削減している。これは維持管理が遅れ、ビジターセンターや道路にも影響が及ぶため、来園体験に影響を与える。2025会計年度末時点で、老朽化したインフラの修復と必要とされるプログラムの回復には約240億ドル(約3兆7000億円)が必要とされていた。こうした予算制約は、小規模な公園が運営時間の短縮や、場合によっては閉鎖に直面する可能性を意味する。

米国の国立公園は並外れた資源であり、国の貴重な景観、動植物を守り、その歴史、名所、ネイティブアメリカン文化を保全している。何百万もの人々にレクリエーションの機会を提供し、脆弱な生態系を守っているが、資金不足と政治的駆け引きがしばしばその使命を損なっている。

国立公園を守ることが将来世代に利益をもたらすことは疑いようがない。これらの公園に見られる景観、生態系、文化遺産を守り、共有することは、未来への贈り物である。将来のために生物システムを維持することは、単にそれ自体のためだけでなく、極めて重要なのだ。

forbes.com 原文

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