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2026.09.11 14:48

社内に潜む「スピードのずれ」という隠れたコスト

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問題が自分が考えていたものとは違うと気づいた瞬間のことを、私は覚えている。優秀な候補者を一人逃したばかりだった。その原因は、当社の承認プロセスが相手の他社からの内定承諾期限よりも長引いたことだった。私の最初の直感は、自社のスピードが遅すぎるというものだった。しかし、よく調べてみると、決して遅いわけではないことが分かった。ミスマッチが起きていたのだ。ビジネスの一方の部門は迅速に動いていたが、そのすぐ隣の部門はそうではなかった。そして、その両者の間に生じたギャップこそが、実害をもたらしている場所だった。

この経験により、私はペースについての考え方を根本から変えた。多くの企業が抱えているのは、スピードの問題ではない。抱えているのは「速度のミスマッチ」の問題であり、それは企業が認識している以上のコストをもたらしている可能性がある。

その意味を説明しよう。成長しているほぼすべての企業において、ビジネスの異なる部門はそれぞれ異なる速度で動いている。営業は速く動く。法務は慎重に動く。プロダクトは独自のサイクルでリリースされ、財務はまた別のサイクルで決算を行う。しばらくの間は、これらは大して問題にならない。しかし、企業が成長し、外部環境のスピードが加速するにつれて、こうした社内の速度差は単なる軽微な摩擦にとどまらなくなり、ビジネスの成長を阻害する重大な要因となる。

なぜ問題は「遅さ」ではないのか

企業の業績が低迷すると、どこが遅いのかを突き止めてスピードアップさせようとするのが自然な反応だ。その直感は間違っていないが、通常は真の問題を見落としている。

問題は、ビジネスの一部門が単独で遅いことであるケースは極めて稀だ。そうではなく、2つの部門が、もはや噛み合わない速度で動いていることにある。数日で成約できる営業チームが、数週間かける前提で構築された法務審査によってボトルネックに直面する。絶えず製品をリリースするプロダクトチームが、より緩やかなスケジュールを想定して人員配置されたカスタマーサポート部門を追い越してしまう。それぞれの機能は、自部門の基準に照らせば良好なパフォーマンスを発揮しているかもしれない。実害は、両者のギャップにおいて生じるのだ。

だからこそ、1つのチームだけをスピードアップさせても、うまくいかないことが多い。その背後にある法務のボトルネックに対処せずに営業を加速させても、何も解決したことにはならない。渋滞を道路の一歩先へと移動させ、さらに悪化させただけである。

コストはどこに潜んでいるのか

このコストは、単一の失敗として現れないため、見えにくい。蓄積された抵抗として現れるのだ。

それは、契約書が順番待ちのキューに留まっていたために、成約が3週間遅れた取引である。期限通りにリリースされたものの、サポートするはずのチームの準備が整っていなかったために、使われないまま放置された製品改善である。これらはどれも大惨事としては記録されない。それぞれが、理由を説明できる小さな遅延のように見える。しかし、1年間積み重なると、それは膨大な価値の損失を意味することになる。そして、単一の数値では捉えられないため、いかなるダッシュボードにも現れることはない。

危険なのは、その見えなさである。見えない問題は修正できない。そして、速度のミスマッチというものは、深刻な状態になるまで見えないようにできている。

なぜリーダーは見落とすのか

私の経験上、リーダーがこれを見落とすのには明確な理由がある。それは、各部門をそれぞれの基準で評価しているからだ。営業は営業目標に対して測定される。法務はリスクと正確性に対して測定される。各リーダーは自分の部門を最適化し、その多くは成功を収める。しかし、十分に最適化された部門が集まった企業であっても、それらの部門が連携して動くように調整されていなければ、業績は低迷する。局所的な最適化は、適切な企業運営にはつながらない。誰も失敗していないにもかかわらず、ビジネスの業績が上がらない。だからこそ、その原因を突き止めるのが非常に難しいのだ。

リーダーがこれを解決する方法

この問題に何度も直面した後、私が重点的に取り組み、他のリーダーも実践できる分野を以下に紹介する。

1. 部門ではなく、「引き継ぎ」を診断する

ミスマッチは決してチームの内部には存在しない。それは2つのチームの間の空間、すなわち「引き継ぎ(ハンドオフ)」のプロセスに存在する。ビジネスの足かせとなっている場所を探すときは、どのチームが遅いのかを問うのをやめ、どの引き継ぎが噛み合っていないのかを問い始めることだ。そこに価値が漏れ出ているのであり、それは最も大きな不満が向けられている場所であることは滅多にない。

2. 速度を野心ではなく、「依存関係」に合わせる

すべての部門が速くある必要はない。ある部門は、自部門に依存している他の部門に適した速度で動く必要がある。私はリーダーたちに対し、すべてを速くしようとする衝動を抑え、代わりにコヒーレンス(一貫性、調和)を目指すことを強く勧める。つまり、各部門のペースが、接している他の部門と噛み合っている状態である。

3. 「継ぎ目」の責任者を決める

すべての部門に責任者がいる。しかし、多くの場合、部門間の空間に責任を持つ者はいない。そして、まさにその場所にこそ速度のミスマッチが潜みがちである。経営陣の誰かが、各部門の内部だけでなく、業務がビジネス全体をどのように横断して動くかについて責任を持つべきである。その責任者がいなければ、ギャップは誰のものでもなくなり、悪化していく。

4. アウトプットだけでなく「フロー」を測定する

ほとんどの企業は、各チームがどれだけの量を生産しているかを測定している。しかし、仕事がビジネスの一端から他端へと移動するのにかかる時間を測定している企業はほとんどない。そのエンドツーエンドのフロー(流れ)こそが、速度のミスマッチを浮き彫りにする場所である。それを可視化すれば、管理可能になる。

5. 成長に合わせて調整を見直す

従業員30人の企業にとって適切なペースは、300人の企業にとっては不適切なペースとなる。これは一度解決すれば済む問題ではない。部門によって成長のスピードが異なるため、成長のあらゆる段階で再浮き彫りになる。私にとって、この規律とは一度だけ解決することではなく、自社の各部門が依然として連動して動いているかどうかを確認する習慣を築くことである。

課題に向き合う

規模を拡大しながら勝ち続ける企業とは、個々のチームが最速である企業ではない。それぞれのチームが連携して動くように調整されており、各部門の速度が全体に適合している企業である。

私に言わせれば、これこそが、円滑に規模を拡大できるビジネスと、自ら作り出したボトルネックに阻まれるビジネスを分ける、静かなる規律である。単一のチームにおけるスピードは称賛されやすい。しかし、ビジネス全体にわたるコヒーレンス(一貫性、調和)を構築することはより難しく、はるかに価値がある。その違いを理解しているリーダーこそが、他の全員が自ら作り出した渋滞に巻き込まれて立ち往生している間も、迅速に動き続けられる存在となるのだ。

forbes.com 原文

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