一さじの勇気を届けるために
20代を、SAKURAは「人生の変化が目まぐるしく起こる時期」と表現する。
「私が10代のころから応援してくださっているファンの方もいて、当時学生だった子が『今は部長になりました』って報告してくれることもあるんです。本当に、その人の人生を見ているような感じがして。私もすごく勇気をもらえるんですよね。私が挑戦している姿を見て、『自分も頑張ってみようかな』と思ってもらえるかもしれない。本当に一さじの勇気じゃないですけど、そういう存在でいられたらと思ってます」
かつて「私が世界を変えてやる」と語っていた彼女は、今、「世界」という言葉そのものを違う意味でとらえている。
「世界って、それ自体はすごくざっくりとした言葉だなって思うんですよ。もう少し具体的に考えると、まずは自分たちの音楽を届けたい人に届けること。その人に届いたなら、『その人の世界』に届いたってことだと思うので。孤独で悩んでいたり、『どうしたらいいんだろう』って思っている方たちに手を差し伸べられるような音楽を届けたい。誰も置いていかない音楽を届けられたらなと思っています」
明日がないと思って、今日にすべてを懸ける。その姿勢は変わらない。ただ、「強さ」の意味だけは、この数年で大きく変わった。「恐れない」から「恐れを受け入れる強さ」へ。そのしなやかな変化こそ、SAKURAという表現者が今なお進化を続けている理由だ。

サクラ◎1998年生まれ。子役からキャリアをスタートし、22年より5人からなるガールズグループLE SSERAFIMで活動する。趣味は編み物で、25年には自身が企画から制作まで参加した編み物プロジェクトKKUROCHETが始動した。


