サイエンス

2026.09.11 18:00

サイの頭にくちばしをこすりつける小鳥、「世界一の写真展」が伝える自然界の美と真実

「お互いさま(Mutual Friends)」行動部門(鳥類)入選 南アフリカ共和国、マンイェレティ動物保護区にて──柔らかな午後の光に包まれながら、赤いくちばしを持つウシツツキが、サイの皮膚に寄生する虫を食べたあと、くちばしをこすりつけてきれいにしている。 Ernest Porter, South Africa - Wildlife Photographer Of The Year 2026

「お互いさま(Mutual Friends)」行動部門(鳥類)入選 南アフリカ共和国、マンイェレティ動物保護区にて──柔らかな午後の光に包まれながら、赤いくちばしを持つウシツツキが、サイの皮膚に寄生する虫を食べたあと、くちばしをこすりつけてきれいにしている。 Ernest Porter, South Africa - Wildlife Photographer Of The Year 2026

ロンドン自然史博物館が主催する世界有数の写真コンテスト「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2026」には、約6万5000点という記録的な数の作品が、121の国と地域から寄せられた。同コンテストは毎年、優秀な作品100点を選出している。そして、第62回展覧会の開幕に先立ち、入選・選出作品の一部が先行公開された。

コンテストには、才能豊かな世界有数の写真家たちが、驚異的な地球の光景を切り取った作品が多数寄せられる。2026年の作品は、ロンドン自然史博物館で、2026年10月16日から2027年7月11日まで開催される展覧会で披露される。

展覧会では、自然の姿をとらえた感動的かつ力強い写真に光が当てられる。審査にあたるのは、野生動物写真家や映像制作者、科学や自然保護分野の国際的な専門家などで、創造性、独創性、技術の優秀さ、作品が物語るストーリーの力強さが評価の基準になる。

感動的で力強い野生生物の写真の数々

展覧会に先駆けて公開されたのは、北極海の氷に開いたアザラシの呼吸穴を注意深くのぞき込むホッキョクグマを捉えた、写真家オードゥン・リカルドセンの写真や、柔らかな午後の光に包まれながらウシツツキが食事後にサイの皮膚にくちばしをこすりつけて掃除するという、互いに支え合う共生関係を捉えたアーネスト・ポーターの作品などだ。

さらに、ロンドン・ヒースロー空港で、着陸寸前の飛行機を背景に飛ぶアマツバメのシルエットをとらえた、若き写真家ジャック・クロックフォードの作品や、ボツワナのオカバンゴ・デルタで、若いヒョウがリスを追って木に登る姿をとらえたアレグラ・ハットンの写真も公開された。

「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」入選作品

部門別の優秀作品と、名誉ある最優秀賞は、2026年10月13日にロンドン自然史博物館で開かれる授賞式で発表される。

ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤーのキャシー・モーラン審査委員長は、「毎年、これ以上のすばらしい作品が応募されることはもうないだろうと考えます。そして、その考えが間違いであることが毎年証明されます」と話す。「今回は、過去最多となる6万5403点が寄せられました。展覧会に先駆けて発表されたのは、10月開幕の展覧会で、来場者の皆さんをお待ちしているすばらしい作品のごく一部にすぎません。こうした作品を見れば、自然界への称賛と責任感がいっそう深まるでしょう」

展覧会はまた、自然界を称えて保全に取り組むよう人々を促すために、英国内と世界各地を巡回する予定だ。

ロンドン自然史博物館のダグラス・ガー館長は、「自然界はかつてないほどの負荷にさらされています。そんな今、これらの作品を見れば、何が危機にさらされているのか、守るべき価値のあるものは何かを思い出すことができます」と話す。「展覧会をあとにする時、誰もがこのすばらしい地球に対して、改めて驚異の念を抱くに違いありません」

次回のコンテスト応募受付は、2026年10月19日午前11時30分(GMT)から、2026年12月3日午前11時30分(GMT)まで。

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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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