太平洋に面するモントレー湾の浅瀬で、軟体動物のアメフラシが夕暮れの光を浴びている。そのシルエットから「海ウサギ(sea hare)」とも呼ばれるアメフラシは、「最後に残った、海草が青々と茂る海を守る、心優しい偉大な存在」であり、撮影者のラルフ・ペースは、そんなアメフラシの意外だけれども希望に満ちた光景を捉えた。
アメフラシは、海草アマモを再生する上で重要な役割を果たしている。アマモが生い茂る場所への日光を遮ってしまう紅藻類を食べてくれるのだ。アマモは、沿岸の生態系において不可欠であると同時に、重要な炭素の吸収源でもある。
撮影地:米カリフォルニア州モントレー湾
シェーン・グロスは、ギンガメアジの群れが毎日、日の出あたりに海岸近くを泳いでいることに気が付いた。構図を2分割した1枚を狙おうと、うまく浮力を生かせるようカメラを逆さまにしてポジションを調整。そして、好奇心旺盛な魚の群れが、嵐が近づくなかでも落ち着いて泳いでいるところへとゆっくり近づいて行った。
ギンガメアジは世界各地で漁獲されているが、この海域では保護されている。セーシェルのダロス島周辺海域は、世界的な取り組み「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」の一環として、2023年に海洋保護区となり、禁漁区に指定された。30by30は、2022年に採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で打ち立てられた目標で、2030年までに、陸と海の30%以上を保全することを目指している。
撮影地:セーシェル、ダロス島
ミヤザワ・ソラは、世界有数の大都市・東京のど真ん中で、このヒキガエルに偶然出会った。構図を定めると、ヒキガエルが飛び跳ねて再び茂みに戻っていく前に、低速シャッターで撮影した。
人口約1400万人を抱える大都市・東京で、ヒキガエルがどのようにして生き延びているのかは誰にもわからない。ヒキガエルは他の両生類と比べ、こうした街中などの新しい生息地でもうまく生き延びている。
撮影地:日本、東京
第62回「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー」展覧会は、2026年10月16日から2027年7月11日までロンドン自然史博物館で開催される。


