問1:AIエージェントへ入力した情報を事業者がどう利用するのか
OpenAIの顧客が最初に問うべきなのは、AIエージェントに何を入力しているのかという点だ。
2026年9月10日時点で、バックマスターの疑念は立証されていない。それでも重要なのは、バックマスターが有料顧客として、企業の法務責任者が自社の製品チームに尋ねるのと同じ問題を提起していたからだ。
製品チームが6カ月分のロードマップをコーディングエージェントへ貼り付けた後、法務責任者は「AI事業者はその情報をモデル学習に使うのか」「事業者側では誰がその情報を閲覧できるのか」と問うことになる。
OpenAIが、特定ユーザーのデータにはアクセスしていないと説明したことで、後者の問いには答えが出たが、前者には答えていない。データ利用の透明性は重要だ。
AIサービスの契約に、AI事業者が入力情報をモデル学習へ利用する権利、データの保存、事業者の従業員によるアクセスが法的拘束力のある文言で明記されていないなら、次回の契約更新までに見直す必要がある。
問2:AIが生み出した成果を誰に帰属させるのか
第2の問いは、OpenAIのモデルが仕事をしたとき、その成果の功績を誰に帰属させるのかだ。
大半の企業には、AIシステムが生み出した成果を誰に帰属させるかという方針がない。従業員が使うエージェントの出力が提携先の成果物と似ていた場合のルールもなく、AI事業者との間で功績を巡る争いが起きた場合の対応策もない。
この分野で特に潤沢なリソースを持つ2つの組織でさえ、1つの文書の著者を誰とするかで合意できなかった。何も懸かっていないうちに、ルールを決めておくべきだ。


