世界最大の人口を抱える2カ国であるインドと中国の間で2020年、国境紛争が勃発した。この紛争は双方で死者を出すほど激化し、それまで拡大を続けていた両国の経済関係に水を差すこととなった。関係改善の兆しが見えてきたのは、2024年になってからのことだ。
12~13日にかけてインドの首都ニューデリーで開催される新興国グループ「BRICS」首脳会議には、同国のナレンドラ・モディ首相や中国の習近平国家主席をはじめ、加盟国の代表が出席する見通しだ。これについて、インドのプラティク・マトゥル駐上海総領事は、回復しつつある中国との関係にさらなる弾みがつくことになるだろうとの期待を示した。同総領事は「両国関係には前向きな勢いがある」と強調した。
同首脳会議に先立ち、インドと中国の双方が参加する高官級会合が相次いで行われた。モディ首相と習主席は、8月31日~9月1日にかけて中央アジアのキルギスで開催された上海協力機構(SCO)首脳会議に出席したほか、両国の代表は同日程で米ノースカロライナ州アッシュビルで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に参加した。中国は2月、ニューデリーで開催された「人工知能(AI)インパクトサミット」にも大規模な代表団を派遣した。
インドと中国の上半期の二国間貿易額は前年同期比23%増の920億ドル(約14兆円)に達したが、中国側が670億ドル(約10兆円)の貿易黒字を計上するなど、大きく偏った構造となっている。中国で事業を展開するインドの主要企業には、人材開発大手NIIT、ITサービス大手テックマヒンドラ、後発医薬品企業ドクター・レディーズ・ラボラトリーズなどがある。一方、インドで事業を展開する中国企業には、大手スマートフォンメーカーのVIVO(ビボ)や小米(シャオミ)、民営投資会社の復星国際などがある。マトゥル総領事は「これは多岐にわたる分野で協力が進んでいることを示している。こうした高水準かつ継続的な協力によって、前向きな勢いが一層強まっていくことを期待している」と述べた。



