欧州

2026.09.11 07:00

米特使がキーウ初訪問も和平への道筋見えず 戦略攻撃の応酬は新たな段階に 全面侵攻1658日目

ウクライナの首都キーウで、ロシアによる攻撃後、聖アンドリー教会の背後で煙が立ちのぼる様子。2026年9月8日撮影(Danylo Antoniuk/ Ukrinform/Future Publishing via Getty Images)

ウクライナの首都キーウで、ロシアによる攻撃後、聖アンドリー教会の背後で煙が立ちのぼる様子。2026年9月8日撮影(Danylo Antoniuk/ Ukrinform/Future Publishing via Getty Images)

ウクライナからの報告。1658日目。

続く空襲と被害

米特使らが和平協議をめぐりがキーウを訪問したあとの9月7〜8日の夜、ロシアはウクライナをドローン(無人機)とミサイルで攻撃した。ウクライナ空軍の報告によると、ロシア軍はドローン166機、巡航ミサイル32発、対艦ミサイル、弾道ミサイル(それぞれ数は非公表)を発射した。ウクライナ側はうちドローン142機、巡航ミサイル31発、弾道ミサイル2発を撃墜・制圧した。

キーウでは9日、ロシア軍のジェット推進式ドローンによる攻撃で子ども2人を含む14人が負傷した。

これに先立つ8日、ロシア軍はジェット推進式ドローンや巡航ミサイル、弾道ミサイルでキーウに大規模な空襲を行った。この空襲により、民間インフラや住宅地、企業に大きな被害が出た。4人が死亡し、十数人が負傷した。

米特使がキーウを初訪問

米国のスティーブ・ウィトコフ特使と、ドナルド・トランプ大統領の娘婿ジャレド・クシュナーは、停滞している和平交渉を前進させるためモスクワとキーウを訪問した。米代表団はロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領とそれぞれ会談したが、打開策は見いだせなかった。ロシアとウクライナはより高度な兵器を用いて、互いに相手側への攻撃を引き続き拡大している。

ウィトコフとクシュナーは5日にモスクワでプーチンと3時間以上にわたって会談し、翌6日にキーウ入りした。いずれもウクライナを公式訪問するのは初めてだ。ふたりはゼレンスキーをはじめとするウクライナ政府高官と4時間以上にわたって協議した。クシュナーは、戦争を終結させるための新たな案を複数提示したと明らかにした。だが、いずれもウクライナとロシアの対立点を解決するものにはなっていないようだ。

これまでの協議で最も大きな対立点になってきたのは、ウクライナ東部ドンバス地方(ルハンシク州とドネツク州)の扱いだ。ロシアはこの地方のおよそ4分の3を占領しており、残りについてもウクライナ軍の撤退を要求している。これに対してゼレンスキーは、ドンバスの要塞陣地からの撤退はウクライナにとってレッドライン(譲れない一線)だと表明している。ゼレンスキーは米特使との会談後の記者会見でも、ドンバスは「戦争全体の問題」だと述べ、その重要性を重ねて強調した。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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