私はこれまでに、金を稼ぐだけで何の意味も持たない会社を立ち上げたこともあれば、意味はあっても資金不足で潰れかけた会社を立ち上げたこともある。どちらも、築く価値のあるものではない。
築く価値があるのは、資金(マネー)と意味(ミーニング)が同一のエンジンとして機能している企業である。収益性の高い会社に、後からとってつけたように財団を付け足すのではない。損益計算書(P/L)がまったく別のロジックで動いている一方で、壁にミッションステートメントが飾られているような状態でもない。1つのエンジンなのだ。
20年近くにわたり、数億ドルの売上を誇る複数のコンシューマーブランドやメディアプロパティを運営し、さらに重要なこととして、何万もの人や動物の命を救う一翼を担ってきた経験から、私はこれこそが持続可能なビジネスを築く唯一の方法であると確信している。
これには、4つの異なる要素が連動することが必要だ。
1. 利益は燃料である。
インパクトビジネス分野の創業者はミッションについて語るのを好むが、マージン(利益率)について語るのを嫌がる傾向がある。その抵抗感は贅沢というものだ。金を稼げない会社は、何ひとつ行うことができない。雇用もできず、寄付もできない。業績の悪い四半期や、アルゴリズムの変更、第4四半期に不義理を働くサプライヤーに耐え抜くこともできない。
利益は、パイロットが燃料を扱うように扱うべきだ。燃料のために飛行機を飛ばす者はいないが、燃料なしに離陸できる者もまたいない。
私が運営するポートフォリオでは、販売されるすべての製品が、食事の寄付、動物保護活動の支援、退役軍人への奉仕といった、具体的な活動の資金となっている。こうした還元が可能なのは、その基盤となる製品単体の取引が利益を生み出しているからにほかならない。利益率が縮小すれば、ミッションも縮小する。数字に厳格であることは、思いやりの欠如ではない。それこそが思いやりの証拠なのだ。
したがって、総合的な粗利益率だけでなく、製品ごとの限界利益を把握することだ。有料顧客獲得の投資回収期間を、日数単位で正確に把握する。最も調子の良いチャネルが来月30%落ち込んだら何が起きるかを想定する。いつか必ずそうなるからだ。利益率に関する議論から逃げてはならない。
2. パーパスは方向性である。
燃料はどこへ飛ぶべきかを教えてはくれない。それを指し示すのがパーパス(目的)だ。パーパスとは、無数の小さな意思決定に一貫性を持たせるものであり、会社を軌道から外すような意思決定を避けさせるものだ。
パーパスは、自社の基準に調達元が満たないために販売を中止する製品や、条件は良くても相性が悪いために断る提携関係として現れる。また、優秀な成果を上げる人物であっても、周囲に悪影響を及ぼすという理由で採用を見送る際にも現れる。こうした瞬間こそ、パーパスが本当に存在するかどうかが試される時なのだ。
その恩恵は複利のように積み重なり、極めて大きくなるまで目に見えない。製品を目当てに来店し、企業の姿勢に共感して定着した顧客は、割引目当ての買い物客のように離脱することはない。顧客の一部が新たな顧客を呼び込んでくれるため、顧客獲得コストの上昇は他社よりも緩やかになる。すべての競合他社が同じサプライヤー、同じ広告プラットフォーム、そしてほぼ同じ製品を扱っている市場において、自社が掲げる姿勢こそが、ビジネスにおける最後の真の差別化要因となる。
3. リーダーシップは責任である。
いつの時代からか、リーダーシップは「注目度(露出)」として再定義されるようになった。創業者は個性とコンテンツを提供する存在であるべきだとされる。それは一つの役割であり、悪いことではないが、それが本質的な仕事ではない。
仕事の本質は、他者の生活が自分の意思決定にどのように依存しているかについて責任を負うことだ。チームの誰かは、あなたが今年の市場を正しく読めるかどうかに左右される給与を前提に人生設計をしている。
ここから、譲れない原則が生まれる。
• 社員が勘繰る前に、企業の現状について真実を伝えること。
• 厳しい決断は、第9週ではなく第1週に行うこと。先延ばしは親切ではなく、単にコストを他人に押し付けているだけだからだ。
• 非は自ら引き受け、手柄はすべて他者に譲ること。
• 自分がその場にいなくても機能するように会社を築くこと。なぜなら、自分の存在を必要とするビジネスは資産ではなく、辞めることのできない過酷な仕事にすぎないからだ。
権限と責任を混同しているリーダーは、脆弱な会社を作る。その見分け方は簡単だ。何かが破綻したとき、創業者が「原因」を探すか、それとも「犯人」を探すかに注目すればよい。
4. レガシーは目的地である。
「レガシー(遺産)」は、4つの言葉の中で最も誤解されている。多くの人はこの言葉を聞くと、イグジット(売却や上場)、ニュースのヘッドライン、ビルに刻まれた自分の名前などを思い浮かべる。しかし、これらはスコアボードにすぎず、スコアボードはいずれリセットされる。
レガシーとは、自分が去った後も引き継がれるものである。自分が関与しなくなった後も存続するシステム、自社で損益管理を学び、現在は自分の会社を経営している実務家、購入した製品が、本人の知らないところで救済活動の資金となった顧客。そして、自分が指示を出さなくなってもチームに残る「正しく行う」という習慣だ。
このような捉え方をすると、構築するものが変わる。単に12カ月先のことだけを見て最適化するのをやめ、10年後にもその存在意義があるかどうかを問い直すようになる。物事を文書化し、後継者を育成する。手っ取り早い方法が何も残さないのであれば、あえて時間のかかる道を選ぶようになる。
耳の痛い現実
これは、ただ金を稼ぐだけのビジネスを構築することよりも難しく、ただ良いことを行うだけの非営利団体を運営することよりも難しい。2つの異なる規律を同時に実行することになり、そのどちらにおいても妥協は許されない。利益率の追求に終わりはなく、ミッションの追求が完了したと感じられることもない。
しかし、そうしない場合の選択肢は、キャッシュを生み出すだけで、それ以外には何の意味もないことに自分の人生の10年を費やすことだ。私はその取引の代償を支払った多くの創業者に会ってきたからこそ、その結末がどうなるかを知っている。
4つの要素に照らし合わせて、自社を監査してみてほしい。その利益は本物か、それとも崩壊寸前のチャネルに期待を寄せるだけの作り話か。自らのパーパスのために、何かを犠牲にしたことはあるか。リーダーシップを発揮しているか、それとも演じているだけか。もし明日あなたが立ち去ったとしたら、実際に何が存続するだろうか。
その問いに正直に答えれば、次の月曜日に取り組むべきことが明確に見えてくるはずだ。



