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2026.09.14 18:15

東大生が挑む盆栽の言語化 美学をAIで解き明かす「JinShari」

プレスリリースより

プレスリリースより

盆栽が世界的ブームになっているが、その価値を生み出す要素が明確に説明されない感覚に頼る文化が入門者の大きなハードルであり、その背後にある豊かな日本文化に触れる絶好のチャンスを閉ざすものともなっている。

そこで、東京大学博士後期課程3年の勝村智樹氏と横山詢氏は、盆栽の美的側面だけでなく、文化的な奥深さを世界の盆栽ファンに届けようと、盆栽AIプラットフォーム「JinShari」を公開し、同時にさらなる研究を進めるためのクラウドファンディングを開始した。それはデジタル人文学の手法を用いた、「これまで感覚的に語られがちだった盆栽の美学や思想を『言葉』として浮き彫りにする挑戦」とのことだ。

研究者のためのクラウドファンディングサイト「academist」で資金調達を行っているこの研究は、次の3つのフェーズで進める予定だ。

フェーズ1:明治以降の約300冊の専門誌を解析し、樹形の幾何学的特徴を定量化、盆栽造形における「余白」や「わびさび」といった抽象的な表現を客観的な言葉として抽出するなどして、近代における盆栽観を捉える基盤データを構築する。
フェーズ2:構造化メタデータ解析や決定木分析を用いて、茶道、いけ花、日本庭園、日本画、文学・俳句、能楽といった他の日本文化と盆栽の関係性、文化的構造を解明する。
フェーズ3:フェーズ1と2で得られた分析成果をアプリに実装し、目の前の盆栽から日本文化の思想や美意識に触れられる文化体験を世界に提供する。

文化を伝えるには、本を出版したり展覧会を開くなどの手段があるが、愛好家にとって、水やりなどの毎日の手入れの際に枝を観察して「次に何をすべきか」を考えるときが、盆栽ともっとも深く向き合う瞬間であり、そこで利用されるアプリが、有効な手段になると2人は考えた。

次ページ > アプリが目指すのは日本文化と盆栽の好循環

文 = 金井哲夫

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