気候・環境

2026.09.10 14:17

迫り来る洪水災害の問い——急速に温暖化するネパールの現実

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すでに多くの人が、ネパールと中国の国境沿いで村々を破壊し、人々の命を奪った泥交じりの濁流の悲惨な映像を目にしているだろう。複数の報道によると、土砂崩れによってボテ・コシ川が堰き止められ、それによって大量の水が中国側からネパール側の下流へと押し寄せたという。CNNのウェブサイトの記事は、「一部の科学者は、氷河が崩壊して下の谷に落下したことで、土砂崩れが誘発されたか、少なくともその影響が増幅されたと考えている」と伝えている。この大規模な事象により、地震観測計が大地震に似た信号を検知した可能性も高い。これらの出来事を気候変動と結びつけるのは時期尚早かもしれないが、今後の議論で取り上げられることになるだろう。直接的な原因であったかどうかにかかわらず、この地域が非常に急速に温暖化していることは確かだ。

北極圏の高緯度地域は世界の他の多くの地域よりも速いペースで温暖化が進んでいるが、ヒマラヤ地域も間違いなく急速に温暖化している地域だ。世界気象機関(WMO)のウェブサイトによると、「『第三極』として知られるヒマラヤ地域は、世界平均の約2倍の速さで温暖化が進んでおり、水資源の安全保障、人々の暮らし、生態系を脅かし、災害リスクを高めている」という。CNNのローラ・パディソンとアンジェラ・フリッツは、「急速に温暖化が進むヒマラヤ地域に位置するネパールには、数千もの氷河が存在するが、気温上昇に伴って融解し、不安定化している」と記している。しかし、両記者は、今回の事象に温暖化が直接関係しているかどうかを判断するには時間がかかると注意を促している。

ネパールについて、現時点で判明している事実は次の通りだ。同国は、世界の他の地域に比べて比較的速いペースで温暖化が進んでいる。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、「アジアの高山地域における10年あたり0.3℃の温暖化ペースは、世界全体の温暖化速度を上回っており、氷河の後退を招いている。これにより山岳地帯の斜面の安定性が低下し、インフラの安全性が脅かされている」と警告した。ネパール政府もこの状況を認識している。2023年、ネパールは初の国家適応計画を発表した。そこには、気候変動へのレジリエンス(適応力・回復力)を高めるための一連の戦略が盛り込まれていた。

NASAのウェブサイトには、「氷河が縮小し、融解水による湖が拡大するにつれて、周辺のコミュニティへの脅威が増大する」と記されている。このような地域では氷河湖決壊洪水が脅威となるが、今回の事象がそれに該当するという証拠は今のところない。時間が経てば明らかになるだろうが、2つの事実が同時に成立することはあり得る。今回の出来事との因果関係にかかわらず、この地域が気候変動に対して極めて脆弱な地域であることは間違いない。筆者はこの記事を留め置き、科学者たちがこの死者を出した惨劇の背後にある科学的メカニズムをより深く解明した段階で、再びこの問題に戻るつもりだ。

forbes.com 原文

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