経済

2026.09.13 18:15

コメ農家9割黒字でも廃業急増 過去最多ペースに迫る撤退の背景

プレスリリースより

機械の老朽化、高齢化も重荷に

帝国データバンクは、こうした収益改善は単年度の特徴だと指摘する。これまで薄利多売で利益が手元に残りにくかったため、トラクターや田植え機、コンバイン、乾燥機など、老朽化した機械設備の更新を先送りしてきたケースは少なくない。

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さらに、近年の猛暑や豪雨、台風、カメムシの大量発生などによって、収穫量の減少や等級落ちが発生しやすくなっている。高品質なコメを安定して供給する難易度も高まり、将来的に安定した経営を続けられるかは不透明な状況だ。

加えて、全国の米作農業における代表者年齢は60歳を超えている。廃業した米作農業者では、代表者年齢が70代後半とさらに高齢化が顕著だ。米価が高くても、将来を見据えて高額な機械設備などへ積極的に投資することが難しく、高齢化などを理由に事業継続を断念する動きが水面下で進んでいる可能性があるという。

2026年産は概算金が一転して下落

さらに足元では、状況が変化している。コメ価格の高騰による需要減退に加え、生産量の回復によって民間在庫が積み上がったことで、2026年産米の概算金(JAの仮渡金)は、前年産の高騰から一転、全国的に約2~4割下落している。一方、肥料や農薬、機械のメンテナンス費用など生産に必要なコストは上昇している。こうしたなか生産現場からは「経営が成り立たない」といった声も聞かれるという。帝国データバンクは、コメ価格の上昇だけでは解決できない問題が顕在化しているとして、主食の安定供給を担う米作農業の経営安定化が課題だとしている。

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消費者にとっては、どうしても店頭に並ぶコメの価格に目が向きやすい。しかし米価が上がっても農家の撤退が止まらない現状は、価格だけでは日本のコメ生産を維持できないことを示している。コメ農家の廃業は生産者だけの問題ではない。毎日の主食を、これから誰が作り続けるのか。消費者にも直結する問題として考える必要がありそうだ。

プレスリリース

文=福島はるみ

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