アジア

2026.09.10 09:00

鉄鉱石を巡るオーストラリアとの貿易摩擦、中国は「取引」による解決模索か

西オーストラリアの鉄鉱石輸出施設。2011年6月1日撮影(Aaron Bunch/Getty Images)

西オーストラリアの鉄鉱石輸出施設。2011年6月1日撮影(Aaron Bunch/Getty Images)

オーストラリアとの間でくすぶっている鉄鉱石を巡る貿易摩擦が再燃する中、中国は米国式の「取引」による解決を模索しているようだ。

この長期にわたる対立の核心にあるのは、鉄の原料である鉄鉱石の価格だ。世界最大の鉄鉱石の輸入国である中国は値引きを求めているが、オーストラリアの鉱山各社はこれに応じることを拒んでいる。

ところが、中国は最近の価格交渉で、オーストラリア最大の企業であり世界最大の鉱山会社でもあるBHPグループが操業する鉱山の権益取得を要求するという、予想外の切り札を出した。先週、鉄鋼世界最大手の中国宝武鋼鉄集団が、豪西部ピルバラ地区にあるジンブルバー鉱山の権益15~25%の取得を目指しているとの報道が流れた。同鉱山の権益の85%を保有するBHPの広報担当者は、宝武鋼鉄との取引に関する報道については肯定も否定もしなかったが、BHPには他社と提携してきた長い歴史があると述べた。

年間7100万トンの高品位の鉄鉱石を生産できるジンブルバー鉱山には、既に2社の日本企業が共同出資者として参画している。伊藤忠商事(8%)と三井物産(7%)だ。ジンブルバー産の鉄鉱石は5月までの7カ月間にわたり、中国の輸入禁止措置の対象となっていた。その理由は価格の問題とされているが、日本との間で続く貿易摩擦の一環である可能性も指摘されている。

今回の中国によるジンブルバー鉱山への投資提案は即座に政治問題へと発展した。オーストラリア野党の有力議員らは政府に対し、同国の鉄鉱石産業のさらなる買収を図る外国企業の動きを排除するよう求めている。野党のティム・ウィルソン財務担当報道官は豪紙オーストラリアン・フィナンシャルレビューの取材に対し、最終消費者が供給網を掌握すると、自らの要求に沿った安値で調達しようとするため、オーストラリアの利益にはならないと述べた。

中国とオーストラリアの摩擦は、鉄鉱石価格と密接に連動している。同価格は先月、1トン93ドルまで下落したが、今週に入り再び100ドル台を回復した。価格上昇を受け、中国政府系の資源調達機関は国内の鉄鋼メーカーに対し、特定の品位の鉄鉱石、特に英豪資源大手リオティントが生産する「ピルバラ・ブレンド」の購入を停止するよう指示した。

こうした価格を巡る対立のさなかに浮上したのが、ジンブルバー鉱山の権益取得に対する中国側の関心だ。これは、貿易摩擦の解決に向けたビジネス上の取引の提案と見なすこともできるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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