資産運用

2026.09.18 11:00

2026年後半の債券市場はどこへ向かうのか、専門家に聞く

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インフレと債務拡大を軸に、政策と資金需要が米国債利回りを動かす

債券市場には複数の要因が影響し、作用の仕方も強さも同じではない。米金融機関U.S. Bankの投資戦略担当シニアディレクター、ロブ・ハワースは、投資家にとって最大の要因はインフレとみており、労働市場も重要で、エネルギー価格は先行きを読みにくい要素だとする。資産運用会社CS McKeeの最高投資責任者、ブライアン・アレンは、FRBと中間選挙を挙げる。米財務省の政策、拡大する連邦財政赤字、大手テクノロジー企業との資金獲得競争、他国の中央銀行に影響する世界的な要因も国債市場を動かし得る。

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インフレと政府・FRBの政策が米国債の需給と利回りを動かす

最も大きな要因とみられるのがインフレだ。インフレ率が上がると、債券から得られる収益の実質的な価値が下がる。投資家は目減りを埋め合わせるため、より高い利回りを求める。十分な利回りがなければ買い手がつかないため、米国債の利回りには上昇圧力がかかる。

米財務省による国債の買い戻しも市場では注目されたが、結果として影響は比較的小さかった。スコット・ベッセント財務長官の下、米財務省は発行済みの米国債をまとまった規模で買い戻し、価格と利回りへ直接働きかけようとした。買い戻しで需要が増えれば国債価格は上がり、利回りは下がる。利回りが下がれば、政府の利払い負担も軽くなる。市場はすぐに反応したものの、利回りは以前の水準へ戻った。

チェスター・スパットは、カーネギーメロン大学テッパー・スクール・オブ・ビジネスの金融学教授で、米証券取引委員会(SEC)の元チーフエコノミストでもある。スパットは、買い戻しの効果が続かなかった理由の1つについて「規模が非常に小さく、買い入れを大きく拡大する予定もなかった」と説明する。このため、市場には買い戻しの効果を疑う見方が残った。

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FRBの金利政策は、特に短期金利へ大きく影響する。米連邦公開市場委員会(FOMC)が決める政策金利、フェデラル・ファンド(FF)金利を基準にする短期融資には、強い影響が及ぶ可能性がある。FOMCが利上げに動くのは、根強いインフレへの懸念があるためだ。利上げはその懸念を示すシグナルとなり、債券投資家は収益の実質価値を守るため、米国債にも一段と高い利回りを求める。

国債増発とAI企業との資金獲得競争が、米国債利回りを押し上げ

40兆ドル(約6200兆円)を超えた米連邦債務の拡大は、米国債の価格と利回りに大きく影響する。債務が膨らむほど、政府は現在と過去の活動に必要な資金を賄うため、より多くの国債を継続的に発行しなければならない。需要が同じだけ増えないのに供給が増えれば、国債価格は下がる。債券では価格と利回りが逆方向に動くため、価格下落と同時に利回りは上がる。

債券ETFを提供する運用会社BondBloxxのパートナー兼投資ストラテジスト、ジョアン・ビアンコは「巨額の財政赤字と高水準の米国債発行により、投資家は長期債を保有する見返りとして、より高い収益を求めている。インフレと政策の不確実性も重要な要因だ」と話す。

資金を借りようとしているのは米財務省だけではない。米国では企業、州、市も債券を発行している。人工知能(AI)開発競争を背景に、複数の企業が2026年9月以降の数年間で数兆ドル(数百兆円)規模のインフラ投資を賄おうとしている。投資家を引き付けるには、米国債も競合する債券に見劣りしない条件を示す必要があり、そのため利回りには上昇圧力がかかる。

各国の財政政策と金融市場の連動が、世界の国債利回りに影響する

金融サービス会社BOKファイナンシャル(BOK Financial)のチーフ投資ストラテジスト、スティーブ・ワイエットによると、米国債を動かす要因の一部は世界の国債市場にも共通する。ワイエットは「金利が上がる理由が悪材料とは限らない。企業の成長や収益見通しが改善していることを反映する場合もある。ただ、財政赤字を伴う支出の継続も市場は意識している」と話す。政策当局が財政規律を重視しない場合、財政赤字を伴う支出は市場から特に意識される。各国の市場は相互に影響し合っており、日本の債券市場もその一例だ。

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