メタの株価は米国時間9月9日に5%以上上昇した。巨額のAI投資を消費者向けビジネスへと昇華させようとするマーク・ザッカーバーグの新たな一手が好感された形だ。新たに発表されたAIエージェントの「Muse(ミューズ)」は、メールの送信や旅行の予約、商品の購入などを自律的に行うことができる。
ミューズ発表でメタ株5%超上昇、AI投資を消費者向け事業につなぐ
8日にメタがミューズを発表したことを受け、同社株は9日の取引開始直後から5%以上上昇し、米東部夏時間午前10時15分の時点では5.41%高の646.65ドルで推移している。ミューズは「単に質問に答えるだけでなく、実際に作業をこなす」といい、旅行の予約やメール送信、商品購入に加え、「大きく大胆な目標」にも取り組む能力を備えているという。
ザッカーバーグは以前から、データセンターやインフラに巨額の投資を行う理由について、高度なデジタルアシスタントがAIモデルの次の進化形態であり、今後数カ月から数年にわたってこれが同社にとっての「次なる製品と収益の源」になるためだと投資家に説明していた。
まず米国のみで提供、無料版とヘビーユーザー向け有料プランを設ける
メタは4月、安全性と信頼性への懸念が生じたことからミューズの発表を延期した。社内テストで機密データの漏洩やパフォーマンスの不安定さといった問題が発覚していた。
8日午後の発表によると、ミューズは当初米国のみにおいて、専用アプリまたはメタのメッセージサービス「WhatsApp」を通じて提供される。また、同社は近日中にも自社のスマートグラスにもこのパーソナルエージェントを搭載する計画だ。
メタはミューズを無料で提供する一方で、ヘビーユーザー向けには月額20ドルと100ドルのサブスクリプションプランも用意する。
SNS「Threads」の月間アクティブユーザー数が5億人到達
さらにザッカーバーグは8日夜、自社のSNS「Threads」の月間アクティブユーザー数が5億人に達したと発表した。イーロン・マスクのXと同等かそれ以上の規模のユーザーを獲得したとの発表は、メタの新製品群がもたらす高い収益性を示す好材料となった。
約2.88兆円の和解金支払いで合意、ミューズの安全性に対する懸念も
そうした一方、メタはFacebookやInstagramなどのアプリが及ぼす有害性を偽ったと主張する訴訟において、8月下旬に最大180億ドル(約2兆8800億円)の和解金を支払うことで合意した。同社は現在も同様の主張に基づく他の訴訟も抱えている。さらに、AIによるコーディングの急増を背景に同社の重大なセキュリティ事案が昨年から40%増加するなか、メタはミューズの安全性に対する懸念の舵取りも迫られている。
メタは今年、AIインフラ関連の設備投資に最大1450億ドル(約23兆2000億円)を投じるとの見通しを示している。



