AI彼女は少年の女性観や同意にどう影響するのか
私が特に注目しているのは少年への影響だ。「AI彼女」と明確に呼ばれる市場は、異性愛者の男性が抱く欲求に合わせて設計されることが多いからである。
多くのサービスでは、外見や性格、望む関係のタイプに応じてAI彼女を選べる。「従順」「支配的」「愛情深い」「誘惑的」「内気」といった特性が用意され、外見や話し方、返答の仕方まで設定できるプラットフォームもある。
現実の恋人には自分の意思があり、拒絶することもある
そこで生まれる関係は、現実の人間同士とは根本的に異なる。人間の恋人には自分の好みがあり、意見が合わないこともある。相手には越えてほしくない一線があり、こちらへの関心を失うこともある。若者は成長する過程で、そうした相手の意思にどう向き合うかを少しずつ学んでいく。
拒絶されるのはつらいが、それをどう受け止めるかを学ぶことも感情の発達に含まれる。自分が魅力を感じたからといって、相手が自分に関心や愛情を返す義務はないと理解することも同じだ。人工のパートナーは、拒絶や意見の食い違い、相手の意思を受け入れることなど、現実の人間関係を通じて学ぶ機会を減らしかねない。
AI彼女との交流が少年の恋愛観をどう変えるかは分かっていない
AI彼女は、そもそも利用者が求めるから存在する。AIが示す「欲求」はソフトウェアが生成し、性格も多くの場合は利用者が調整できる。その仕組みは最終的に、利用者とのやり取りを続けるために設計されている。
ここで、見過ごせない問いが生じる。いつでも応じ、細かく設定でき、少年の好みに応えるよう設計された人工のパートナーと交流しながら成長すると、何が起きるのか。
そうした体験が女性への態度や、現実の人間関係に抱く期待をどう変えるのかを判断できるだけの証拠は、まだ十分にない。その不確実性こそ、この問題を詳しく調べる必要がある理由だ。
子どもや10代の若者がこうしたサービスを利用しているなら、まったく新しい形で人間関係を疑似体験することになる。AIとのやり取りを重ねることで、女性への見方や、親密さや同意に対する考え方がどう形作られるのかは、まだ十分に分かっていない。


