欧州

2026.09.10 15:00

フランスの狩猟用私有地で野生動物の「集団墓地」発見、組織的に殺害か──大富豪が裁判に

Casimiro - stock.adobe.com

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フランスの複合企業ブイグ創業者フランシス・ブイグの息子で、億万長者のオリヴィエ・ブイグが裁判を受けた。所有する約650ヘクタール(約650万平方メートル)の狩猟用地で、フランス法の保護対象となる野生動物を殺すよう従業員に促した疑いが持たれている。審理はフランス現地時間2026年9月7~8日に行われた。

捜査当局は敷地内で多数の動物の死骸が埋められた場所を発見し、「集団墓地」と表現した。判決は2026年10月23日に言い渡される予定だ。

編注:フランスの環境関連の法律では、科学的価値や生態系で果たす役割、自然遺産を守る必要性などを基準に、保護対象となる野生動物種を定めている。対象種の殺傷や捕獲、意図的な妨害などは原則として禁止される。規制の適用条件も法令で定められている。

保護対象種を組織的に殺した疑い、ブイグを含む6人を起訴

ブイグを含む6人は、ノスリ類、ウ類、サギ類、シラサギ類、ハリネズミ、ヤマネコなどの保護対象種を組織的かつ違法に殺したとして起訴されている。

起訴内容によると、これらの動物は、敷地内のキジ、ヤマウズラ類、魚を脅かしていたことから殺されたとされる。キジ、ヤマウズラ類、魚は、パリから南へ約100マイル(約160キロ)のソローニュ地方にある私有地で開かれる、私的な狩猟会向けに用意されていた。

1匹ごとに約1万7600円、対象動物を殺した従業員に報奨金

起訴内容では、ブイグ本人が保護対象種を殺したとはされていない。検察側は、ブイグが従業員による殺害を期待していたと主張している。

検察側によると、ブイグはキジ、ヤマウズラ類、魚を脅かす動物を1匹殺すごとに、約115ドル(約1万7600円)の現金報奨金を支払っていた。この報奨金によって、従業員に対象動物の殺害を促していたと検察側は主張している。

匿名で寄せられた通報を受け、フランス生物多様性局(OFB)の捜査員が敷地を捜索した。捜査員は、殺害状況を記録した私有地の内部記録や狩猟台帳を発見した。敷地各所では、動物が仕掛けを踏むと、ばねで脚などを挟む「トラバサミ」が50個を超えて見つかった。いずれも違法に設置されたものだったという。

死骸は現地にあった重機を使って集団墓地に埋められたとされる。殺された動物の正確な総数は把握できないが、数年にわたり数百個体、場合によっては数千個体が殺された可能性がある。6人の被告は、違法狩猟、密猟、動物虐待を含む複数の環境犯罪で起訴されている。

2026年10月23日に判決、約1億3350万円の罰金を求刑

2日間の審理は2026年9月8日に終了し、残るのは裁判所の判断だけとなった。判決は2026年10月23日に言い渡される予定だ。検察側はブイグに対し、5年の拘禁刑を執行猶予付きとし、75万ユーロ(約1億3350万円)の罰金を科すよう求刑した。

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