欧州

2026.09.11 14:15

ドイツ東部の州で極右主導の政権が誕生!? 窮地に追い込まれるかCDUのメルツ首相

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打ち出した政策はかつてないほど過激に

AfDの選挙戦をめぐっては「かつてないほど過激的になった」(フランス・アンフォ局)との指摘がある。「当初はユーロ懐疑派の政党だったが、その後、より過激な派閥が主導権を握った。今日では、ナチスにインスピレーションを受けた政党と言えるだろう」(同局)。実際、選挙戦では、ドイツの戦時中の犯罪よりも功績を強調するよう学校の歴史カリキュラムを改訂することなどを提案した。
 
難民・移民政策も厳格化する方針を打ち出した。不法な難民申請者の国外退去の手続きを迅速化し、その他のすべての難民申請者にも就労義務の導入を目指す。

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ドイツ国内で生まれた子孫を含む何百万人もの移民をドイツから強制的に国外追放する「リミグレーション(再移住)」も公然と支持。移民に対して一種の自警団を設立する意向も示した。
 
AfDの支持者は若者が多い。「有権者の世代交代が進んだことで、過激な政策綱領を掲げても、もはや選挙戦の妨げにはならない」との見方から、今後、AfDが一段と勢いづく可能性もある。
 
これに対して、窮地に追い込まれたのがCDUを率いるメルツ首相である。同首相は選挙結果に「われわれは深い衝撃を受けた」と肩を落とした。

国政への影響は避けられそうにない。CDUのフランツィスカ・ホッパーマン幹事長はメルツ氏の進退に関する議論を否定するが、欧州の複数のメディアが「CDUや連立政権のパートナーである社会民主党(SPD)から首相の交代を求める声が上がっている」などと報じている。
 
イギリスの新聞「ザ・ガーディアン」によれば、メルツ首相は2018年に「AfDの得票率を半減させる」と約束。これに反して、同党の支持率はジリジリと上昇している。

一方、イギリスの調査機関の「YouGov」がドイツで7月に実施した世論調査によると、メルツ首相の支持率は16パーセント。イギリスのアンディ・バーナム首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相、スペインのペドロ・サンチェス首相、イタリアのジョルジャ・メローニ首相の各国での支持率を下回り、6カ国首脳のうち最も低い水準だ。

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AfD台頭を阻止できる方策は見当たらず

当面の焦点は、連立政権交渉の行方だ。いまのところ、既成政党のほとんどがドイツの国内情報機関から「過激派組織」と指定されているAfDとの協力を拒否。連立政権樹立は流動的な情勢だ。
 
こうした中で、唯一、連立へ門戸を開いているのが、左派新党のザーラ・ワーゲンクネヒト同盟(BSW)。両党には「親ロシア」などの共通点もあるが、「AfDの内部では、イデオロギー上の理由からBSWを魅力的なパートナーと見ていない」(ドイツのラジオ局「ドイチェベレ」)。
 
もっとも、AfDの台頭を食い止める方策を誰も見いだせていないのは事実。CDUなどの既成政党が、今後、どこまで失地挽回できるのか。9月20日に控える同じ旧東ドイツのメクレンブルク・フォアポンメルン州と、ベルリンの州議会選挙が試金石になる。

文=松崎泰弘

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