資産運用

2026.09.10 08:00

「ゴールド好き」のインドで金宝飾品需要が低迷 何が起こっているのか?

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インドは金(ゴールド)宝飾品の世界最大の購入国であり、その需要の大きな部分を生み出しているのは農家の世帯だ。インドの農家は昔から、豊作後に現金を金に換えてきた歴史がある。

この点で今年問題になるのは、インドの現在のモンスーン(雨季)が2009年以降で最も弱いものになる見通しとなっていることだ。降雨量は平年を大きく下回っており、夏の作付けシーズンは厳しいスタートになった。

モンスーンの降雨量が少なければ、作物の収穫量が落ち込み、農村部の所得は減る。その結果、金製品の購入も振るわなくなる──。筆者が資産運用業界に入って以来、ずっと耳にしてきた定番ストーリーだ。実際、8月末時点でインド国内の金価格は国際価格を大幅に下回る(ディスカウント)状態にある。

とはいえ、降雨量だけですべてが説明できるわけではない。むしろデータからは、インドでの金価格の変動には気候よりもインド政府の政策がもっと大きな影響を与えてきたことがわかる。

天候よりも税を追え

インド政府は今年5月13日、金の輸入関税を6%から15%へと2倍以上に引き上げた。これはインドでの金に対する一度の関税引き上げ幅としては過去最大であり、2024年7月に実施していた関税引き下げを帳消しにするものでもあった。ブルームバーグのデータによると、インド国内の金価格は数日のうちに国際価格を1トロイオンスあたり100ドル超下回る水準に下がった。

インド政府がこうした措置を講じたのは初めてではない。金の輸入に関しては2013年にも関税を段階的に引き上げたほか、新たな輸入規制も課した。その結果、供給が絞られ、国内の金価格は国際価格を1トロイオンスあたり150ドル超上回る(プレミアム)水準に上がった。金相場を動かしたのは降雨量ではなく、政府の政策だった。

2016年のモンスーンも振り返っておこう(ちなみに、これに関しては当時記事を書いた)。この年、降雨量は問題なかった。農村部の所得も堅調だった。にもかかわらず、国際的な金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によるとインドの金需要は前年比でおよそ148トンも減り、過去最大の減少幅を記録した。

何があったのか? インド政府が新たな物品税を課し、それに対して全国の宝飾店がストライキに踏み切ったため、金取引は数週間にわたって停止した。また、高額の金購入の際に納税者番号の提示を義務づける新たな規則も導入された。さらに11月には、政府が流通紙幣の86%を一夜にして廃止するという物議を醸す措置を断行した(インドの最高裁判所は2023年に、この措置を合法とする判断を示している)。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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