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2026.09.15 14:15

「開成→東大・運動音痴・初テニス25歳で世界ランク奪取」競争心ゼロの勝機

市川誠一郎氏。39歳でテニス世界ランキングを獲得

市川誠一郎氏。39歳でテニス世界ランキングを獲得

「こいつみたいには絶対なるな!」──小学生のジュニア選手たちの前で、上手くならない代表例としてコーチに怒鳴られ続けた大人がいた。

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開成中高から東京大学へ進学し、「白黒が明確につく世界で挑戦したい」と25歳で始めてテニスラケットを握る。絶望的な苦難を乗り越え、39歳で世界ランキングを獲得した市川誠一郎氏だ。

ビジネスやキャリアの現場でも、他人の評価や活躍が気になり、周囲と比較して焦りを抱く人は多い。なぜ人は人と比べてしまうのか。どうすれば「自分軸」を取り戻せるのか。前例のない道を歩む市川氏に、比較のノイズを取り除き、自分らしく生きるための思考法を聞いた。

「最下層」からのスタートと弱みを強みへ再定義

著者(以下、─):25歳で未経験からプロを目指す中で、大きな苦労や葛藤があったのではないでしょうか。

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市川誠一郎(以下、市川):25歳でテニスを始めて、5年以上は地獄のような日々でした。毎日死ぬ気で練習しても小学生に勝てず、運動センスもない。子供たちの練習に混ざり「反面教師」として怒鳴られ、「自分には資質がないんじゃないか」、「辞めたい」、と落ち込む毎日でした。

さらに、プロに不可欠とされる「何が何でも勝ちたい」という強烈な負けず嫌いになれない自分にもずっと苦しんでいました。

──その暗闇から、どのように抜け出したのですか?

市川:海外のコーチに「負けず嫌いじゃないのは感情の波が少ないということ。淡々と努力を続けられる強みだ」と言われたのが転機でした。欠点だと思っていた部分が、実は強みだと気づけたのです。

実際、勝敗や感情の波に疲弊して辞める選手が多い中、ダントツで下手だった僕だけが残り続けられた。結果や勝利に執着するのではなく、ボールを打ち続ける「プロセスそのもの」を楽しめるなら、それこそが自分の武器だと受け入れられるようになりました。

2016年に支援金を得てスペインのアカデミーへ渡ったのですが、周りがシエスタで昼寝したり休む中で、僕は10分で昼飯を済ませてひたすら練習していました。相手がいない時は、応援してくれていた掃除のおっちゃんに球出しを頼んでいましたが、それがバレて注意されたことで、「常軌を逸した練習量の、クレイジーな日本人」として有名になる始末(笑)。それを面白がってくれたトッププロ(日本代表)がダニエル太郎君でした。「家に住んでいいよ」と声をかけてくれ、猫の世話をすることで、半年間、居候させてもらいました。 

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文=竹崎孝二

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