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2026.09.09 08:17

CEOの最難関は戦略ではなく実行にある──ベイン100人調査が示す4つの断層

Adobe Stock

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筆者の経験では、CEOは自社がどこへ向かうべきかを考えることに多くの時間を費やしている。戦略を磨き込み、経営陣の足並みをそろえ、取締役会と優先事項を議論し、ますます野心的な目標を設定する。これらはいずれも重要だが、CEOの仕事で最も難しい部分ではないかもしれない。

ベイン・アンド・カンパニーが実施したCEO100人を対象とする新たな調査は、顕著なギャップを明らかにしている。回答者の83%が、自社の投資や戦略的意思決定は未来と最も重要な事柄に焦点を当てていると答えた。また、87%が、経営陣はその野心をめぐって足並みがそろっていると回答した。しかし、その野心を実現するために適切な人材を適切な役割に配置できていると考えるCEOは、わずか46%にとどまった。

野心のギャップは小さい。しかし、実行のギャップは大きい。

戦略とは、物事を実現することである。もし組織が実行できず、野心を成果へと変換することに継続的に苦労しているのだとすれば、それは戦略上の問題を抱えているということだ。

実行はシステムである

長年にわたりCEOや経営陣と仕事をするなかで、説得力のある戦略を持ちながら、それを現実のものにすることに苦戦する組織を数多く見てきた。問題が努力や意図の欠如であることは、まずない。組織が実行できるように適切に設計されていないことが問題なのだ。

筆者の同僚による新たな調査は、実行が崩れやすい4つのポイントを特定している。ルーティン、ケイパビリティ、行動、ガバナンスである。

ルーティンは、戦略を人々が日々実際に行うことへと変換する。ケイパビリティは、適切なスキルを適切な場所に配置する。行動は、人々が当事者意識を持ち、好奇心を保ち、賢明なリスクを取るかどうかを左右する。ガバナンスは、意思決定が迅速に、適切なレベルで行われるのか、それとも階層をゆっくりと上がっていくのかを決める。

筆者は以前、経営陣が集合体として行動することの重要性について書いた(「数千の経営陣を調査して判明した、優れたチームに共通する5つの中核的行動」参照)。最も強いチームは明確な方向性を定め、意思決定を一貫して行い実行し、協働し、適応し、長期にわたってエネルギーを維持する。戦略に合意する段階から、それを真に実現する段階へと課題が移るとき、これらの行動はさらに重要になる。

あるグローバルな産業企業の経験がまさにそうだった。同社は、競争が激化する市場に合わせてコストを再調整することを戦略的優先事項としていた。リーダーたちは何度もコスト削減を行ったが、そのたびにコストがじわじわと元に戻るのを目の当たりにした。最終的に彼らは、目標を設定するだけでは不十分だと認識した。経営幹部チームは何時間もかけて、組織のルーティンとマインドセットを変え、その成果を定着させる文化を築くために、自分たちが変えるべき行動を特定した。

実行とはシステムであり、スローガンではない。CEOは、自社にあるルーティン、人材、行動、意思決定プロセスが戦略を後押ししているのか、それとも静かに妨げているのかを問う必要がある。

あなたのカレンダーも問題の一部である

ここから問題はより個人的なものになる。

調査対象のCEOは、顧客、同業者、アドバイザー、思想的リーダーなど、社外の人々と過ごす時間を増やしたいと答えている。社内で過ごす時間については、戦略と変革に充てたいと考えている。

しかし、実際のカレンダーは違うことを物語っている。

現在、CEOは平均して時間の64%を社内に費やしている。本来の適切なバランスは半分に近いはずだ。最も価値の高い優先事項について深く考える時間をカレンダーで確保していると答えたCEOは41%にとどまった。価値の低い取り組みを刈り込むため、常時更新される「やめることリスト」を維持している割合も同じ41%だった。

これらの結果は、いくつかの居心地の悪い問いを投げかけるはずだ。

  • あまりにも多くの意思決定がCEOのもとに上がってくるなら、その組織は顧客や現場に十分素早く対応できているのか。
  • 日常的な業務課題がカレンダーを占めているなら、そうした会議の準備のために、会社全体で管理職や従業員の時間がどれほど使われているのか。
  • そして、CEOがより速く、より説明責任のある組織を望むと言いながら、意思決定の最終地点であり続けているなら、彼らは実際にどのような行動を示しているのか。

データは豊富にある一方で、真の洞察と集中は乏しい。新たな優先事項を追加するのは簡単だ。だが、何に注意を払うのをやめるべきかを決めることのほうが、はるかに難しい。

戦略からレガシーへ

実行のギャップを埋めることは、究極的には生産性や時間管理以上の問題である。CEOの仕事は、単に野心的なアジェンダを設定することではない。それを何千人もの人々が実現できる条件をつくることだ。適切なチームを配置し、仕事の進め方を簡素化し、顧客と現場に近い距離を保ち、組織に必要な行動を自ら示すことである。

そのためには、自分自身を任務に耐えうる状態に保つことも必要だ。調査対象のCEOのうち、自身のパフォーマンスを長期にわたって維持するルーティンを持っていると答えたのは54%にすぎない。エネルギー管理、優先順位付け、信頼できる支援ネットワークといったものだ。

数年前、あるグローバル企業のCEOが筆者に貴重な教訓を与えてくれた。彼は経営会議で基調講演を行った。その後、ステージに勢いよく上がったときのエネルギーについて、自発的な好意的フィードバックを数多く受けた。講演の実際の内容について受けた反応を大きく上回っていた。最初、彼は落胆した。何しろ、そのプレゼンテーションの言葉には多くの思考と時間を注ぎ込んでいたからだ。しかしやがて彼は、それが評価はされても、記憶には残らなかったことに気づいた。彼自身の活力、決意、エネルギーが、組織を変革へと動員するうえで大きな役割を果たしていたのだ。

「自分自身のエネルギーとバランスを保ち続けなければならない」と彼は筆者に語った。「人々は、あなたが思っている以上にそれを手がかりにして動く」

何年もたてば、戦略プレゼンテーションを覚えている人はほとんどいないだろう。人々が覚えているのは、何が変わったかである。築かれた事業、よりよく応えられるようになった顧客、育成されたリーダー、そして後に残された組織だ。野心を設定することは不可欠である。しかしCEOのレガシーは最終的に、それを実現できる組織と経営陣を築けるかどうかにかかっている。

forbes.com 原文

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