筆者は特殊状況投資で、そのパターンを繰り返し見てきた。ファンダメンタルズが常に最初に回復するわけではない。時には株主基盤が先にリセットされ、完璧さを求めていた投資家がすでに去ったために機会が現れる。
ナイキ株について今見たいもの
筆者はなお、積極姿勢に転じる前に証拠を見たい。最初のマーケティングの後押しを超えて需要を生み出す商品投入を見たい。小売業者との関係をナイキが修復したからではなく、顧客が在庫を買っているために、卸売パートナーがナイキの商品をもっと求める状況を見たい。比較対象が容易になるからではなく、顧客選好にたどれる理由で中国が安定することを見たい。何より、フットウェアの市場シェアが誤った方向へ動くのを止めた証拠を見たい。
筆者はまた、7月には強調していなかった問いも投げかけている。いまナイキを保有しているのは誰で、なお売る理由があるのは誰なのか。
特殊状況投資に30年以上関わってきて、筆者は、最も説得力のある投資の一部はファンダメンタルズが安心できるように見える前に現れることを学んだ。保有構造と期待がすでに大きくリセットされているため、構図が変わる。完璧な物語を求めていた投資家は去る。次のグループは、価格がもはや完璧さを前提としていないため、不完全なものを保有する意思を持つ。
ナイキはそのプロセスのほぼすべての段階を通過してきた。プレミアム複利成長企業からターンアラウンド銘柄へ、そしてターンアラウンド銘柄から多くの投資家がバリュートラップと見なすものへと移った。12年ぶり安値に達し、いまS&P 100での地位を失いつつある。各段階で、株価から楽観の層がもう1枚ずつ剥がれ落ちた。
指数委員会が同社を除外したというだけで底入れしたと断言するつもりはない。また、78%下落したからといってさらなる下落がないわけではない。ナイキにはなお、より良い商品、より強い顧客反応、中国での安定化、そして競争上の堀が再び魅力的な経済性を支えられるという証明が必要である。だが、ナイキ株はより注目に値するものになりつつある。価格、期待、株主基盤がすべて変わったからだ。7月の筆者は、バリュエーションが成り立つのかを問うていた。8月には、堀がなお機能するのかを問うていた。S&P 100からの除外後、筆者が最も重視する問いは、投資家がまだすでに織り込んでいない悪材料がどれほど残っているのかである。


