9月は「ハッピーキャット月間(Happy Cat Month)」に定められている。これは、非営利団体(NPO)「CATalyst Council(キャタリスト・カウンシル:猫と触媒[catalyst]をかけた言葉)」が制定したもので、その趣旨は、生をともにする伴侶動物(コンパニオンアニマル)としての猫の価値を再評価し、猫たちの健康や幸福を最優先すべき理由を再確認することだ。
これは、猫という動物にぴったりの機会と言えるだろう。なぜなら、猫は人間に多くのメリットをもたらしていることが、科学的研究で裏付けられているからだ。一例として、猫とふれあうことで「愛情ホルモン」と呼ばれるオキシトシンの分泌が促され、ストレスホルモンのコルチゾールの濃度が下がると、ワシントンD.C.に本部を置くNPO「人間と動物の絆研究所(Human Animal Bond Research Institute:HABRI)」の代表、スティーブン・フェルドマンは解説する。
事実、猫と暮らすメリットはさまざまな状況で証明されている。例えば、HABRIが資金を拠出して実施した、自閉症の子どもに対して猫がもたらすプラスの効果を探る研究では、こうした子どもたちの共感性を増し、分離不安や多動傾向を落ち着かせるのに猫が役立ったことが判明している。
「この研究では、保護施設から自閉症児のいる家庭へと引き取られた猫について、子どもの行動や精神面への影響を検証した」とフェルドマンは解説する。「引き取られた猫は、自閉スペクトラム特性がある子どもたちにメリットをもたらすだけでなく、その親や、子どもの世話をする大人にも良い効果があることが確認できた。また、猫の幸福度に関しても、大きな進展をもたらす研究となった。この状況に猫たちはどう適応するのか?という疑問があったが、猫は非常に巧みに適応してくれた。こうして、犬だけではなく猫も、このような状況にある人たちを助けるポテンシャルがあると示すことができた」
HABRIは他にも、保護施設の猫が、米国の一人暮らしの高齢者にもたらすメリットを調べる予備的研究に資金を提供している。こちらの研究では、猫を引き取ることが、メンタルヘルスや孤独感スコアの改善につながっていることがわかった。
「この予備的研究が終わった時点で、そのまま猫を飼い続けることを選んだ高齢者の割合は97%に達した」とフェルドマンは述べている。
現在、HABRIの資金提供で、より大規模な臨床試験が実施されている。こちらの目的は、高齢者の身体的健康度を測定することと、猫の幸福度を正確に計測することだ。
「予備的研究で得られたデータに基づいた今回の研究には、本当に大きな期待をかけている。社会的孤立と孤独は、われわれの社会にまん延する真の疫病だ」と、フェルドマンは述べる。
さらに、HABRIが資金を提供した別の研究も、オレゴン州立大学でちょうど始まったところだ。フェルドマンによればこちらは、ティーンエイジャー、および9歳から12歳のプレティーンと呼ばれる年代の少年少女に、猫をトレーニングしてもらうものだという。
「こちらの研究は、人と猫のあいだに生まれる絆の強さを測定するものになる。加えて、(トレーニングを行う)子どもたちの心の健康や、社会性の向上につながる行動などに与える効果も検証する。一部のケースでは、猫をセラピーアニマルにするべく、さらに子どもたちにトレーニングしてもらうことも考えている」と同氏は語った。



