マーケット

2026.09.08 11:45

ルルレモン株低迷の教訓、ブランドが忘れた「顧客に選ばれる理由」

Cerib - stock.adobe.com

ナイキもこれと同種の大変な事態を経験してきた。ナイキがこれまでに構築された屈指の消費財ブランドの一つであることは疑いようがない。スウッシュロゴは世界中で広く認知されており、そのスポーツにおける伝統を模倣することはほぼ不可能で、流通規模も極めて大きい。しかし、ナイキの製品ラインナップの魅力が薄れ、チャネル戦略が問題を引き起こしたとき、競合他社にマインドシェアを奪われるのを防ぐことはできなかった。

advertisement

知名度だけで十分であるなら、ナイキは経営再建を必要とすることはなかったはずだ。顧客はナイキを忘れたわけではない。より欲しいと思える他のシューズを見つけたのだ。これはブランド認知度の喪失とは全く異なる問題であり、これこそが、投資家が時として誤った判断指標に頼ってしまう構造的理由と言える。認知度は人々がその存在を知っていることを示す。一方で定価での購入は、そのブランドが経済的に機能し続けているかどうかを示している。

ルルレモン株が示す、顧客の信頼がいかに速く移り変わるか

極めて急速に事態が進行したわかりやすい例がBud Lightだ。あの騒動はすぐに政治問題化し、企業が何をすべきだったか、あるいはすべきではなかったかについて、人々は今も議論を続けている。投資家にとっては、よりシンプルな観察だけで十分だ。一部の顧客がそのブランドに期待していたものとは異なると感じ、その購買行動が変化した。アンハイザー・ブッシュ・インベブはその後、主にバドライトの販売量低迷を理由に、米国での売上高が大幅に減少したことを発表した。政治的議論は果てしなく続けることができる。しかし、キャッシュレジスター(売り上げ)が嘘をつくことはない。

ターゲットはこれとは異なる問題に直面してきたが、根本的な脆弱性は同じだ。同社は文化的な論争において、対立する双方の顧客から疎外感を抱かれる状況に何度も陥ってきた。詳細はそれぞれ異なるかもしれないが、財務的なリスクは全く同じだ。信頼がほころび始めると、日常的な来店客数に依存する小売業者は、顧客が買いに来たものを販売することよりも、自社ブランドの弁明に追われることになる。

advertisement

これは、企業が立場を表明したり、社会の変化に対応したりすることを避けるべきだという意味ではない。消費財ブランドとは、社内の戦略文書ではないということを経営陣が理解しなければならないという意味だ。ブランドは顧客の心の中に存在するのであり、その意味を最終的に決定づける権利は経営陣にはない。

次ページ > ルルレモン株が示す、価格だけでは何も見えてこない理由

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事