AI

2026.09.15 12:05

セコイアは、機械が思考の99.9%を担うことに賭けている

Rafael Henrique - stock.adobe.com

Rafael Henrique - stock.adobe.com

セコイア・キャピタルのパートナー、コンスタンティン・ブーラーは先週Xで、機械が世界の認知的な仕事の99.9%をまもなく担うようになると論じるエッセイを公開した。99.9%という数字は、1800年から今日までのあいだに機械が肉体労働で占めるに至った割合とぴったり同じである。投稿は48時間で46万8000回以上表示された。

4月に開かれたセコイアのイベント「AI Ascent」で、ブーラーはパット・グレイディ、ソニア・ホアンとともに、狙う市場の大きさを、ソフトウェアが1度も届かなかったサービス関連の売上およそ10兆ドル(約1540兆円)と見積もった。現在のソフトウェア市場は6500億ドル(約100兆円)である。

PitchBookの集計によれば、AIスタートアップは2026年上半期に4070億ドル(約62兆7000億円)を調達し、2025年の通年の2640億ドル(約40兆7000億円)を上回った。うち2170億ドル(約33兆4000億円)は、OpenAIとAnthropicが3回のラウンドで集めたものである。同じ6カ月間に米国で投じられた4127億ドル(約63兆6000億円)のうち、86%をAIが吸収した。1億ドル(約154億円)以上のラウンドが、投じられた資金の87.5%を占めている。案件数は2025年の8290件から3500件に減った。投資テーゼとして見れば、認知革命とは、ごく少数の巨額の資金投入と、まだ存在しないアプリケーションに賭けることである。

ブーラーの枠組みは、蒸気機関、内燃機関、電動モーターに起きたことをなぞっている。これらは2世紀をかけて、肉体労働の担い手を99%の生物から99.9%の機械へと入れ替えた。彼は、ニューラルネットワークが認知に対して同じことを、しかもより速くやると論じる。コストの下がり方が急だからだ。

1ワット当たりの知能(intelligence per watt。同じ電力でどれだけの知能が得られるかを示す指標)で測ったコストは、年に10分の1を下回るペースで下がっているというのが彼の見立てである。エッセイに登場する現代のカーネギーは、エヌビディア、TSMC、Transformerの論文を書いた研究者たち、そしてデータセンターに数兆ドル(数百兆円)を投じるハイパースケーラー(大規模なデータセンターを運営する巨大クラウド事業者)である。

エッセイは、彼が毎日利用するWaymoでの通勤の話から始まり、人間のドライバーに比べて重傷事故が17分の1だという主張が置かれる。Waymo自身の安全性データによれば、無人走行1億7070万マイル(約2億7500万キロメートル)で重傷以上の事故は92%少ない。およそ12分の1にあたる。7月に公表された米国道路安全保険協会(IIHS)の独立した調査では、1マイル(約1.6キロメートル)当たりで警察への報告対象となる事故が68%少なかった。ただしサンプルの小さいオースティンでは、人間のドライバーより4%多かった。

次ページ > 産業革命は40年、今回の猶予は5年かもしれない

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事