AI

2026.09.09 13:00

AI利用料が「エンジニアの給与」以上に、NVIDIAも認める本末転倒なコスト

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プライベートエクイティも気づいている

市場のプライベートエクイティ側も反対方向から同じ結論に達しつつある。このほど開催された『クリプト・バレー・カンファレンス』のプライベートエクイティに関するパネルディスカッションで、資産運用会社Julius Baer(ジュリアス・ベア)のプライベート・キャピタル・マーケット責任者、ジュゼッペ・デ・フィリッポは、SaaS関連の取引が停滞しているのは水平的な価格設定がもはや機能しておらず、バリュエーションがその現実に追いついていないためだと述べた。

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AIは今や、実用的なインターフェースを数時間で生成できる。つまり、企業が何年もかけて磨き上げてきたデザイン層の価値は1年前よりも低下している。一方でAIが生成できないのは鉱山事業や水道事業向けのニッチなERPシステムに20年かけて組み込まれてきた業界固有のロジックだ。競争優位を守る「堀」は、ソフトウェアの「見た目」から「知識」へと移ったのだ。

「価格補填」が縮小

長い間、コストは下がりつつあるというのが一般的な見方だった。実際、トークン当たりの価格は下落しており、ガートナーは最大規模のモデルの運用コストが2030年までに90%近く安くなる可能性があると予測している。注意すべきは、価格の下落ペースよりも利用量の増加ペースの方が速いという点だ。Faros AI(ファロスAI)の調査では、AIがかなり導入されている状況では「コードチャーン」(追加されたコード行数に対する削除されたコード行数の割合)が800%以上増加したことが明らかになった。投入するトークンが増えれば増えるほど、無駄な作業も増えているのだ。

企業が現在AI利用のために支払っている価格は、本当の価格ではない。OpenAI、アンソロピック、グーグル、メタはいずれも、推論サービスの提供コストを下回る価格を設定し資金を燃やしながら市場シェアを獲得しようとしている。OpenAIは、推論で1ドルを稼ぐごとに約2ドル費やしている。サム・アルトマンは、サブスクリプションを月額200ドル(約3万円)にしても同社は赤字だと公の場で述べている。この「価格補填モデル」は今年崩れ始めた。

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支出とリターンの動向は別々に扱われてきた。何年もの間、「価格補填」によって抑えられた推論価格やベンチャー資金で補填された赤字、将来的には生産性が向上するという期待によって支出とリターンの軌道は同じ方向へ進み続けることができた。

2026年6月、市場はその2つが乖離していることに気づいた。半導体メーカーの時価総額はわずか1日で約1兆3000億ドル(約202兆円)失われた。フィラデルフィア半導体指数としては2020年3月のパンデミック時以来の1日あたりの下落幅となった。エヌビディア、Micron(マイクロン)、AMDが下落を主導した。韓国の主要株価指数は1日で10%下落し、一時取引が停止された。SpaceX(スペースX)の株価は上場から数日でIPO価格を下回った。Accenture(アクセンチュア)は6カ月で52%下落している。この相場の急落はテクノロジーそのものに対してではなくタイムラインに対する評価だった。

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翻訳=溝口慈子

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