AI

2026.09.14 10:00

シーメンスは、生成AIを工場の現場に持ち込んでいる──マイクロソフトとIndustrial Copilotを開発

Marlon - stock.adobe.com

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生成AIがチャットボットの枠を出て、工場の現場へと向かっている。

シーメンスはこの技術を使って、エンジニアが機械をプログラムするのを助け、生産を自動化し、製造業が抱える最大級の問題である熟練労働者の深刻な不足を解決しようとしている。

この産業界の巨人は、世界的な人材不足が8兆5000億ドル(約1326兆円)規模の課題に相当し、多くの企業がAIや自動化などの変革的な技術を十分に活用できずにいると見積もっている。

その答えが、AIで働き手の力を拡張することである。この戦略の中核にあるのが、マイクロソフトと共同開発したIndustrial Copilotと、エヌビディアの技術を土台にした先進のデジタルツイン(実在の工場や設備をコンピューター上に再現した仮想の複製)である。

そして、この取り組みはすでに現実の成果を上げている。この技術を導入した顧客の一社である飲料・食品大手ペプシコによれば、3カ月足らずで生産性を20%向上させるのに役立ったという。シーメンス自身も自社の工場への展開を進めており、同社が「世界初の完全AI駆動の適応型製造拠点」と呼ぶもの、つまりAIが工程全体を動かし、状況に応じて自ら生産を組み替える工場の実現に向けて動いている。

では、シーメンスの取り組みからは、AIを活用した製造業がどこへ向かっているのかについて何がわかるのか。そして、ほかの企業の経営者はそこから何を学べるのか。

シーメンスは何をしているのか

シーメンスがIndustrial Copilotを最初に発表したのは2023年である。産業オートメーションの作業を管理するために世界中で使われているソフトウェア基盤「TIA Portal」の中に、生成AIアシスタントを直接組み込んだ。

これによりエンジニアは、「コンベヤーベルトは詰まりを検知したら自動で停止すること」「動作温度が安全な水準を超えたら警告を出すこと」といった具合に、やりたいことを自然言語で指示できるようになった。

シーメンスによれば、現在100社超がこの機能を使っている。その一社であるKrause Automation(クラウゼ・オートメーション。旧ティッセンクルップ)は、世界各地の拠点で電池や自動車のドライブトレイン(動力伝達系)を製造するのに役立てている。自動化機械を制御するコードを自動生成することで、以前は数時間かかっていた作業が30秒ほどに短縮された。

直近では、シーメンスはエヌビディアのAI技術を土台にしたプラットフォーム「Digital Twin Composer」の立ち上げを発表した。これを使うと、製造業者は工場や生産ライン、プラントの完全な仮想のコピーを作り、物理的に何かを変更する前に、その変更をシミュレーションしてテストできる。

ペプシコはこのプラットフォームで米国の生産施設をシミュレーションし、現実の世界で問題が起きる前に潜在的な問題の最大90%を捕捉できるようになった。ゲータレードの工場では、生産効率が劇的に向上した。

言葉だけでなく行動でも示すため、シーメンスは自社の生産拠点にもこの技術を展開している。2026年には、Industrial Copilotが24時間365日稼働するエルランゲンの電子機器工場を、世界初の完全AI駆動の適応型製造拠点にする計画を発表した。自社の技術を大規模に展開し、現実の産業環境で意味のある成果を上げられることを、シーメンスはこうして示している。

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翻訳=酒匂寛

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