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2026.09.07 08:58

AIエージェントはセキュリティ問題を「生み出す」のではなく「暴く」

Adobe Stock

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リーダーたちは、AIエージェントがまったく新しいサイバーセキュリティ上の脅威をもたらすのではないかと懸念している。しかし実際のところ、最大のリスクはAIが「生み出す」ものではなく、AIが「暴き出す」ものにある。AIエージェントは脆弱なガバナンスや不十分なアクセス制御を作り出すわけではないが、長年にわたり組織に蓄積されてきた抜け道、つまり技術的負債を露呈させる。人々がやり過ごすことに慣れてしまったこうした抜け道を、AIはマシンスピードで突いてくるのだ。

多くの組織では、アクセス制御が時間とともに静かに劣化してきた。権限はある従業員から次の従業員へとコピーされ、人々は役割を変えても古いアクセス権を失わず、ファイルは「一時的に」共有されたまま見直されることがない。AIエージェントはこうした問題を生み出すわけではないが、これまで機微な情報を埋もれさせていた摩擦を取り除き、検索結果や要約、プロンプトの中に瞬時に浮かび上がらせてしまう。

組織全体でAIエージェントに1日に投げかけられるプロンプトの総量を想像すれば、セキュリティリスクの規模を把握し始めることができる。ガートナーの予測によれば、企業向けアプリケーションのうちタスク特化型AIエージェントと統合されるものは、2025年の5%未満から2026年末までに40%に達する見込みだ。ガバナンスはこのペースにまったく追いついていない。

このセキュリティギャップはすでに企業に代償を強いている。IBMの「2025年 データ侵害コスト報告書」によると、5社に1社がシャドーAIに関連する侵害を経験している。こうしたインシデントは、侵害の平均コストを最大67万ドル(約1億500万円)押し上げ、特に顧客データと知的財産に大きな打撃を与えた。さらに、侵害を受けた組織の63%はAIガバナンスポリシーを持たず、従業員がこれらのツールを使い始める前に承認プロセスを整えていたのはわずか37%にとどまった。

AIエージェントが露呈させる2つのガバナンスギャップ

AIエージェントに関するセキュリティギャップを埋めるには、リーダーはまず、実際には2つのギャップが存在することを認識する必要がある。

第1は組織的なギャップだ。ほとんどの企業は、AIエージェントを含む労働力に合わせてガバナンスを再設計していないか、そもそも真のガバナンスを導入したことがなく、いまゼロから始めなければならない状況にある。AIエージェントが関与するセキュリティ侵害は、誰かが無謀な行動をとったから発生するわけではない。企業が何十年も苦しんできたシャドーITの問題と根は同じだ。ビジネス側が何かを必要とし、公式ルートでは対応が遅く、従業員はセキュリティ上の影響に気づかないままより速い方法を見つけてしまう。

第2のセキュリティギャップは、過度に許容的なシステムだ。ノートPCで摩擦なくプラグインをインストールしたり、外部のAIツールにファイルをアップロードできたりすれば、誰かが必ずそれを使う。悪意や怠慢からではなく、そこにあり、手早い解決策を提供してくれるからだ。

要するに、組織的ギャップだけを埋めて技術的ギャップを放置する、あるいはその逆であれば、扉は半開きのままだ。リーダーはAIエージェントから大きな責任を負わずに価値を引き出すために、両方に焦点を当てる必要がある。

AIエージェントに適用すべき「新入社員」基準

AIエージェントのサイバーセキュリティ問題に対する解決策の1つは、エージェントを単なるソフトウェアの一部としてではなく、新入社員のように扱うことだ。

誰かを採用して、社内のあらゆるシステムへの無制限のアクセス権を与え、マネージャーも配属せず、その成果物を一度も見直さないということはしないだろう。しかし、驚くべきことに、多くの組織が現在AIエージェントを導入している方法は、これに酷似している。

その代わりに、すべてのエージェントに全面的なアクセスではなく、限定された役割を与えるべきだ。担当する特定の機能に合わせて権限を付与し、それ以上は与えない。

第2に、すべてのAIエージェントに対して、ペアとなる人間のオーナー(責任者)を指名することだ。エージェントが他のエージェントを起動し始めるなかで、すべての行動は、何が起こったかに対して責任を負う人間にまで追跡可能でなければならない。

第3に、割り当てられたタスクを実行するために、エージェントに必要最小限の権限(最小特権の原則)を与えることだ。多くの場合、これはエージェントの出力を監督する責任を持つ人間と同等ではなく、それよりも制限されたアクセス権を意味する。

ここが最も誤解されやすい部分だ。SharePointを検索する権限を持つAIエージェントを想像してみてほしい。エージェントは、営業予測の隣に置かれた報酬スプレッドシートがこのタスク向けではないことを知らない。単に取得を許可されたデータとして認識するだけだ。だからこそエージェントは、多くの場合、それを支援する従業員よりも少ないアクセス権を必要とするのだ。

最後に、AIエージェントを定期的にレビューする。クラウドセキュリティアライアンス(CSA)の調査では、68%の組織が自社のシステム内でAIエージェントの活動と人間の活動を確実に区別できないことがわかった。

筆者の会社のセキュリティチームがクライアントのエージェントガバナンスを測るために使う簡単なテストがある。「あなたのチームの誰かが、あるエージェントが先週火曜日に何をしたか、誰のために動いたか、なぜその行動を許可されていたかを説明できるか」。答えがノーなら、それはAIの問題ではなくガバナンスの問題であり、エージェントはたまたまそれを浮かび上がらせたに過ぎない。

AIエージェントは最先端に感じられるかもしれないが、適用されるセキュリティの基本は同じだ。アイデンティティ管理、データガバナンス、アクセス制御はかつてないほど重要になっている。

AIエージェントはサイバーセキュリティの既存の破綻を露呈させる

AIエージェントによって露呈する問題のほとんどは、AIが登場する前からすでに破綻していたものだ。ある人から別の人へとコピーされたアクセス権、3年前に「とりあえず今だけ」と共有され、その後一度も見直されていないファイル、権限の見直しを一度も伴わなかった役職や役割の変更。こうした小さな事柄のすべてが積み重なり、AIエージェントが解き放たれた瞬間に、甚大なサイバーセキュリティリスクとなる。

重要な示唆は、AIは組織にすでに存在するものを、良くも悪くも増幅するということだ。強固なサイバーセキュリティガバナンスはさらに強固になり、脆弱なガバナンスはさらに危険になる。

これは決してスピードを緩めるべきだという主張ではない。人を信頼し、明確な期待を示し、責任ある大人として扱うことこそが、組織が崩壊せずに素早く動くための条件だ。AIはこの方程式を変えないが、それをうまく行うことの重要性を高めている。

forbes.com 原文

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