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経営・戦略

2026.09.07 08:22

「自社の理念」を語るのはやめよ、顧客に「行動の機会」を提供すべき理由

Adobe Stock

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シアトルのひと握りの活動家たちが、共通の目的とグループチャットだけで生み出したようなエンゲージメントを、企業ブランドが20年もかけて人為的に作り出そうとする姿を、私は見てきた。

何が起きたのかを説明しよう。先月、シアトルの市民グループが、すべてのマーケターの注目を集めるべき偉業を成し遂げた。数カ月にわたる組織化、市議会への出席、地元当局への働きかけを経て、彼らはシアトル市議会に大型データセンターの建設一時停止を全会一致で承認させたのである。

そして、この成果よりもさらに興味深く、重要だと私が感じる点がある。環境メディア「Grist」の報道によると、参加した人々の多くは、この取り組みを「骨の折れる仕事」とは表現せず、「楽しかった」と語っている。組織化や協働、共通の目的意識は、負担ではなくエネルギーの源となったのだ。

この事実に、私は思わず立ち止まって考え込んでしまった。

現代の人々は情報過多で、気が散りやすく、他者への関心が薄れていると、私たちは耳にタコができるほど聞かされている。しかしここには、複雑な公共の問題に対して多大な時間と労力を投じ、そのプロセスに充実感を見出している一般市民のグループがいた。

なぜだろうか。

それは、単に関心を持つよう求められたからではない。参加するための有意義な方法を与えられたからだ。

「伝えること」と「貢献すること」の違い

長年にわたり、企業ブランドは「自社の価値観を十分に明確に伝えれば、消費者は支持という形で報いてくれる」という前提のもとで活動してきた。その考え方が、企業の姿勢に関するステートメントや広告キャンペーン、マーケティング動画、慎重に作成された宣言など、一世代におよぶ「パーパス(存在意義)主導のマーケティング」を生み出してきた。

問題は、人々が「信念」と「パフォーマンス(演技)」を見分けることに極めて長けている点だ。彼らは、企業が本当にその立場をとっているのか、それとも単にテストマーケティングで受けが良かったからパーパスの言葉を借りているだけなのか、その違いを見抜いている。

人々は、ブランドに何を信じているのかを語ってほしいのではない。その信念がどこかへつながっているという証拠を求めているのだ。

シアトルの主催者たちが理解していたこと(そして多くのブランドがいまだに見落としていること)は、人間は「主体性」を求める性質を持っているということだ。私たちは、自分の行動が変化をもたらすと信じたいのだ。メッセージを消費するだけでなく、結果に貢献したいのである。

「ラジカル・エンパシー」と信頼の構築

私の会社は、私たちが「ラジカル・エンパシー(徹底的な共感)」と呼ぶ手法に基づいて、長年ブランド構築を行ってきた。これは単に優しく接することではない。人々の行動を規定する動機、不安、憧れ、葛藤を認識できるほど、深く相手を理解することだ。

その視点で見ると、シアトルから得られる教訓はきわめて明快だ。参加した人々を動かしたのはメッセージではなく、変化をもたらす機会だった。彼らのエネルギーは、説得ではなく、参加から生まれていたのだ。

この洞察は、ブランドが問いかけるべき質問を変える。「この問題について何を語るべきか」と問う代わりに、「すでにその問題に関心を持っている人々のために、どのような役割を作れるか」と問うべきなのだ。

前者の問いが生むのはコンテンツだ。後者が生むのは信頼である。

ここには、認めておくべき皮肉もある。シアトルの物語の中心にあった問題は、今日のAI革命の多くを支えるインフラである大規模データセンターの建設一時停止だった。一方で、この洞察自体は、私の会社が新たな文化的対話を特定するために開発した、AI搭載のインテリジェンス・ツールを通じて得られたものだ。これを矛盾と見る人もいるかもしれない。私はそれを裏づけだと考えている。

最良のテクノロジーは、人々をより効率的に迂回するためではなく、より深く理解するために役立つべきだ。シアトルで提起された懸念は、根本的にはテクノロジーの問題ではなかった。それは声、説明責任、透明性、そして参加の問題だった。これらは反テクノロジー的な関心事ではない。人間的な関心事なのだ。

そして、これらは人々がブランドに対しても投げかけるようになっている問いと重なり合う。「あなたは本当は誰に奉仕しているのか」「行動は言葉と一致しているか」「そのストーリーの中で、私にはどのような居場所があるのか」。

今後10年で繁栄する組織は、信頼はもはや宣言によっては築かれないことを理解するだろう。信頼は参加を通じて築かれるのだ。

これからの企業コミュニケーションに向けた4つの提言

これが実務において何を意味するのかを考えているリーダーに対し、私は4つのことを提案したい。

1. 変化をもたらすのに十分なほど、具体的な立場をとること。

2. 単なるコミュニケーションではなく、参加を念頭に置いた設計にすること。

3. 自分たちの関与がどのような違いをもたらしたか実感できるよう、影響を可視化すること。

4. 成果を示すこと。懐疑的な時代においては、意図よりも証拠が重要となる。

シアトルの活動家たちは、マーケターが何年もかけて作り出そうとして失敗しがちだったことを思い出させてくれた。人は、自らの参加に意味があると信じるとき、並外れた時間と関心、そして情熱を注ぎ込むということだ。これは市民参加についての教訓であると同時に、人間の本性についての教訓でもある。

これを理解しているブランドは、「何かを語ること」と「何かを実行すること」が同じであると信じ続けているブランドに対して、大きな優位に立つことができるだろう。

forbes.com 原文

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