宇宙

2026.09.07 15:00

ローマン宇宙望遠鏡とNASAが挑む究極の「地球外生命探査」

天の川銀河(銀河系)にある恒星を公転する太陽系外惑星がどれほど数多く存在するかを示した想像図。重力マイクロレンズ法を用いた恒星数百万個を対象とする6年間の調査により、恒星の周囲に惑星が存在するのは例外的なことではなくむしろ常態であるとの結論が得られた。銀河系にある恒星のほぼすべてに少なくとも1個以上の系外惑星があると考えられている(NASA, ESA, and M. Kornmesser (ESO))

天の川銀河(銀河系)にある恒星を公転する太陽系外惑星がどれほど数多く存在するかを示した想像図。重力マイクロレンズ法を用いた恒星数百万個を対象とする6年間の調査により、恒星の周囲に惑星が存在するのは例外的なことではなくむしろ常態であるとの結論が得られた。銀河系にある恒星のほぼすべてに少なくとも1個以上の系外惑星があると考えられている(NASA, ESA, and M. Kornmesser (ESO))

NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡の完璧な打ち上げ成功により、天の川銀河(銀河系)全体で生命を探査するという同局の包括的な取り組みが大きく進展するかもしれないと、ローマン望遠鏡の開発を支援した第一線の科学者が語っている。

ローマン望遠鏡の科学者チームに10年近く在籍するバネッサ・ベイリー博士によると、天文学者はこの超高性能の望遠鏡で銀河中心領域を探索し、地球そっくりの惑星を見つけたいと考えている。この領域には、太陽系が誕生する数十億年前に形成された太古の恒星や惑星が数多く存在するという。

ベイリーはインタビューで、ローマン宇宙望遠鏡を用いた探査により、太陽系全体に酷似した惑星系が見つかる可能性があると語った。

主星の周りの最適な領域内を公転する地球類似惑星は、表面温度が1度から99度の範囲で、表面の全域に液体の水が存在するため、何らかの地球外生命を育んでいる可能性がより高くなる。

NASAがローマンで銀河系中心域を観測する目的の1つは、第2の地球(地球型系外惑星)を見つけて、その特性を明らかにすることにある。

天文学で博士号を取得後に米スタンフォード大学でポスドクを務めたベイリーによると、約30年前に天文学者がシミュレーションの対象としていたのは、銀河系の別の領域を再現しうるモデルとしての太陽系のバリエーションだった。そのため、当初相次いだ太陽系外惑星の発見によって根本的に異なる惑星と主星の配置が明らかになったことで、多くの天文学者が大きな衝撃を受けたという。

1995年に太陽に似た恒星を公転する系外惑星の検出が初めて確認されたのを皮切りに、最初期に発見された系外惑星の多くが、主星のすぐ近くを公転する巨大ガス惑星だった。天文学の分野でごくありふれた存在になったこれらの巨大ガス惑星は、通称「ホットジュピター(灼熱の木星)」と呼ばれるようになった。

灼熱の巨大ガス惑星「ホットジュピター」に分類される太陽系外惑星WASP 121-b(左)と主星を描いた想像図(NASA, ESA, Q. Changeat et al., M. Zamani (ESA/Hubble))
灼熱の巨大ガス惑星「ホットジュピター」に分類される太陽系外惑星WASP 121-b(左)と主星を描いた想像図(NASA, ESA, Q. Changeat et al., M. Zamani (ESA/Hubble))

ホットジュピターの存在が示しているのは、ケプラーや地球軌道上のハッブルなどを含む何世代もの宇宙望遠鏡によって発見され続けている、実際の惑星と主星の多様な配置が、従来の太陽系モデルによるシミュレーションでは説明できなかったことだと、ベイリーは指摘する。

次々と発見されている系外惑星の配置を説明するためには、シミュレーションのライブラリを抜本的に拡充させる必要があるかもしれないと、ベイリーは続ける。

それでも、NASAは今後も、従来のモデルに類似した恒星系を探索する構えだ。

ベイリーは、インタビューで「太陽系と完全に瓜二つの惑星系は、おそらく存在しないだろうと思われる」として「だが興味深いのは、類似の惑星系がどのくらい一般的かという問題だ」と語った。

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翻訳=河原稔

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