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2026.09.09 08:00

イラン攻撃という失策の代償は数十年続く──燃料高から人的損害、退役軍人の支援まで

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イラク戦争でも戦費を過小評価、安全保障関連支出は国防総省外で年約78兆円以上

戦費が過小評価されるのは珍しいことではない。イラク戦争の開戦前、ブッシュ政権で経済顧問を務めたローレンス・リンゼイは、戦費を「わずか」1000億~2000億ドル(約15兆6000億~31兆2000億円)程度と見積もっていた。ブラウン大学の研究プロジェクト「Costs of War」は、イラク戦争の総費用を2兆ドル(約312兆円)超と分析している。リンゼイの見積もり上限と比べても10倍超、下限と比べれば20倍超に相当する。

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ハーバード大学ケネディスクールのリンダ・ビルムズが指摘した通り、イラク戦争の戦費は増税ではなく、財政赤字の拡大によって賄われた。戦闘が終われば支払いも終わるわけではない。戦費を借金で賄ったことで政府債務が増え、その利払いを米国は何年にもわたって負担することになる。

イラン攻撃にかかる総費用を考えると、問題は現在の戦闘だけにとどまらない。米国が海外で行う戦争に加え、国内で進める監視や移民取り締まりの強化まで含めれば、安全保障政策全体に実際いくら使っているのかという、より大きな問題につながる。

私が所属する政府監視プロジェクト(Project on Government Oversight、POGO)の報告では、国防総省予算に含まれない安全保障関連支出だけで、年間5000億ドル(約78兆円)以上が国防関連費に加わると推計している。対象には、急増した米移民税関捜査局(ICE)と米国国境警備隊への支出、退役軍人向けの給付やサービス、国務省予算に計上された軍事援助が含まれる。エネルギー省国家核安全保障庁(NNSA)が担う核弾頭関連業務への支出も対象だ。

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政権は2027会計年度について、国防関連の総予算を1兆5000億ドル(約234兆円)規模とする方針を示している。この水準は第二次世界大戦後で前例がない規模だ。

戦争や戦争に備えるための軍事支出には、普段は意識されにくい費用が数多く含まれる。連邦政府が軍事・安全保障分野に資金を振り向けるほど、他の政策に使える資金は減る。公衆衛生や環境保護、栄養支援、拡大する富と所得の格差を抑える取り組みなどに回せる連邦資金も制約される。

戦費を賄う税と開戦前の議論で、将来の負担を抑える

将来の戦争費用を抑える方法の1つは、財政赤字を拡大して戦費を賄うのではなく、紛争の費用を負担するための特別な税を設けることだ。戦争を始めれば国民にも直接負担が生じる仕組みにすれば、開戦前に戦争の是非や費用を議論する機会が増える可能性がある。借金で戦費を賄うことで発生する追加の利払いも避けられる。

もう1つの方法は、そもそも戦争をする必要があるのか、必要ならいつ始めるべきなのかを、開戦前に慎重に検討することだ。ホワイトハウスと国防総省の少数の当局者だけで判断するのではなく、米憲法が求める通り、連邦議会の意見も反映させる必要がある。戦争では巨額の費用が発生し、負担がいつまで続くのか分からない場合も多い。政府は開戦理由を明確に説明し、税金を負担する国民の意見も考慮すべきだ。

今回のイラン攻撃という失策が、戦闘開始後まで議論を先送りするのではなく、海外で戦争を始める決定を下す前に、より十分な議論を行うきっかけになるかもしれない。

forbes.com 原文

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