経営・戦略

2026.09.09 11:15

金利上昇でも増収増益「駅近✕AI」戦略の勝算──ブレイクスルー企業100(第3回)タスキホールディングス

タスキホールディングス代表取締役社長の柏村雄氏

──国内最大手の不動産デベロッパーの規模に迫る数字ですね。一方で、4~5%という比較的高い配当利回りを設定しています。成長企業でありながら株主還元を手厚くしているのはなぜですか。

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柏村:前提として、我々には高い資本効率を目指すというマインドがあります。不動産の回転率や、DXによる生産性の向上を掛け合わせて、常に高い資産効率を求めていく。 

一方で、配当できる安定したキャッシュを生み出せる財務体力があることが高い配当利回りの根本にあります。成長企業だから配当を抑えるのではなく、投資をして利益を生み、継続性があると自信を持っているからこそ株主還元もできる。

当期は中間配当16円、期末配当24円に、プライム市場変更を記念した10円を合わせた合計50円を予定しています。配当性向40%以上、累進配当を基本方針としています。

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──最後に、現在の会社の成長スピードに対して、株式市場からの評価を柏村さんご自身はどう見ていますか。

柏村:IRの取材機会は明らかに増えていますし、これまで個人投資家中心だった株主構成の中で、最近は機関投資家からの問い合わせも増えてきていると感じています。 

プライム市場に上がり、新TOPIXに組み入れられる可能性も高いという状況の中で、成長率も含めて注目をいただき始めているのではないかと思っています。

インタビューを終えて

柏村氏への取材を通じて浮かび上がったのは、需要の「構造的な強さ」への自信だ。相続税対策という景気循環に左右されにくい顧客ニーズを軸に据え、東京23区・駅徒歩5分という希少性の高い立地に絞り込むことで、金利上昇や資材高騰といったコスト増を価格転嫁できる価格決定力を確保している。事業モデルそのものに組み込まれた耐性と言えるだろう。

加えて、2024年の経営統合による財務基盤の拡大、東証プライムへの市場変更、そして高い配当性向と累進配当は、非連続な成長と株主還元を両立させようとする信念を感じさせる。

一方で、売上高2000億円という次の目標達成の鍵は、いまだ具体像が見えない「コンシェルジュプラットフォーム」構想の実行力にかかっている。不動産販売で完結していた顧客接点を、資産運用や承継まで広げられるかどうか。ライセンス取得や人材確保など越えるべきハードルは少なくなく、この構想がどこまで数字に落とし込まれていくかが焦点になりそうだ。

文=中居広起 写真=米田麻里子

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