一方、順位の低下が著しかったのは中東の都市だ。オマーンのマスカットは順位を14位下げ、今年最大の下落を記録したほか、クウェート市も12位後退した。EIUは、中東の都市の順位が軒並み下落したのは、イラン情勢に伴う政情不安が原因だと分析している。
「世界で最も住みにくい都市」とされるランキングの最下位(173位)は、シリアの首都ダマスカスだった。そのほか、リビアの首都トリポリ(172位)とバングラデシュの首都ダッカ(171位)も低迷した。
将来の動向
来年のランキングを塗り替える要因は何だろうか? ニコルズは、地政学的な不安定さが、今後もランキングを左右する最大の要因であり続ける可能性が高いとみている。「イラン紛争によるエネルギー危機の経済的余波は来年まで及ぶ可能性が高く、家計を圧迫し、娯楽・観光業の縮小に伴い文化面の評価が低下するほか、市民の抗議運動によって安定性の指標も悪化しかねない」
ニコルズは財政面や環境面の圧力にも触れた。インフレの加速や世界的な金利上昇により建設費用が膨らむことで、大規模な社会基盤整備計画を延期せざるを得なくなる都市も出てくるかもしれない。また、気温の上昇から暴風雨や干ばつ、洪水に至るまで、気候変動が進むことで地方自治体の負担が増し、将来的には住みやすさの評価にも影響が及ぶ可能性もある。
2026年「世界で最も住みやすい都市」ランキング
1位 コペンハーゲン(デンマーク)
2位 ウィーン(オーストリア)
3位 メルボルン(オーストラリア)
4位 シドニー(オーストラリア)
5位 チューリヒ(スイス)6位 ジュネーブ(スイス)
7位 大阪(日本)
8位 アデレード(オーストラリア)
9位 バンクーバー(カナダ)
10位 東京(日本)
2026年「米国で最も住みやすい都市」ランキング
1位 ホノルル(ハワイ州)
2位 アトランタ(ジョージア州)
3位 ピッツバーグ(ペンシルベニア州)
4位 シアトル(ワシントン州)
5位 ワシントン(コロンビア特別区)


