・オークションの天井:
コモディティコーヒーが1ポンド(約454グラム)あたり2.98ドル(約467円)で取引されていたのと同じ時期に、ベスト・オブ・パナマ・オークションおいて、「Hacienda La Esmeralda(エスメラルダ農園)」のウォッシュド・ゲイシャの20キログラムのロットが60万4080ドル(約9460万円)で落札された。これは、1キログラムあたりに換算すると3万204ドル(約473万円)になる。買い手はドバイのロースターであるJulith Coffee(ジュリス・コーヒー)だった。これは極端な例だが、1杯50〜100ドル(約7830〜1万5700円)でコーヒーを提供する高級カフェに供給されているのは、このようなマイクロロットだ。
・中間市場への打撃:
2024年から2026年にかけては、ここ50年で最もコーヒー市場が高騰した。ブラジルとベトナムにおける関税率の上昇や気候変動による混乱から、アラビカ種は2025年10月に1ポンドあたり4.37ドル(約684円)以上の最高値を記録した。誰もが扱うコーヒーが高価になった。その中で「スペシャリティロースター」は、まさにスペシャルなカテゴリーを創出したのだ。
・結論:
1杯60ドルのコーヒーはインフレのせいではない。コーヒーがテロワール(土地や風土)、オークション、そして原産地証明といった条件を備え、シャンパンのような最高級ランクの地位を獲得したということだ。
Seyのカウンターに戻り、私は21.50ドル(約3370円)相当の「エチオピア・ランドレース(在来種)」と、チェイサーとしてデビッド・ベリオの農園「La Casita(ラ・カシータ)」から届いたコロンビア産の「チロソ(Chiroso)」を注文した。どうやらこれらは「完熟のピーク時に手摘みされた」ものらしい。ラミネート加工された説明書きのカードの横に美しく置かれた、手作りの陶器の器からブラックでいただく。カラフルなカードには、バイヤーへの引き渡し費用や関税といったコスト(支払い時のショックを和らげるためだろうか?)、ホワイトハニーやキーライムといったテイスティングノート、さらには地域、標高、精製方法、収穫日、飲んでいる品種など、原産地農園の全容が詳細に記されている。


