アーカンソー州立大学の調査によると、AIへの不安から、Z世代のIT分野の労働者の38%が転職や職務の変更を先送りしているという。AIへの不安によって身動きが取れなくなっていると感じているとしても、それはあなただけではない。その恐れは理不尽なものではないが、朗報もある。この凍りついた状態を解きほぐし、前に進む方法はあるのだ。
どれほどのZ世代がキャリアを停滞させているのか
同調査によると、Z世代の労働者の3人に1人以上がキャリアを停滞させている。この調査は、2025年1月に米国のIT専門職302人を対象に実施されたもので、以下のようなデータが示されている。
- IT専門職の34%が、AIをめぐる不確実性を理由に、職務や会社の変更を先送りした。
- Z世代ではその割合が38%に跳ね上がり、調査対象となったすべての世代の中で最も高かった。
- Z世代の62%が、労働力に対するAIの長期的な影響を懸念していると回答した。
- AIが自身のキャリアに長期的に好影響を与えると考える人は、わずか29%だった。
いまキャリアを足踏みさせているとしても、あなたは例外ではない。むしろ、それが標準になっている。
なぜZ世代はAIと仕事に対してこれほど不安を抱くのか
Z世代にとって、AIは単なるツールではない。それは、適応していかなければならない環境そのものになりつつある。
ミレニアル世代はSNSに対応してきたが、その多くにとって、10代の頃のMySpaceや大学時代のFacebookはアイデンティティとは切り離されたものだった。それがキャリアに浸透したり、日々の生活を左右したりすることはなかった。SNSは写真を投稿し、友人とつながり、新たな出会いを得るための場所にすぎなかったのだ。
対照的に、Z世代はAIが労働市場をリアルタイムで再構築していく様子を目の当たりにしており、その変化のスピードについていけないと感じている人が少なくない。44カ国の2万2500人以上を対象としたデロイトの「2026年グローバルZ世代・ミレニアル世代年次調査」によると、Z世代の74%が日々の業務でAIを使用していると回答している。
デロイトはこのデータを賛否どちらの立場でも位置づけていないが、ニュースメディアのCBSマイアミによると、多くのZ世代の労働者は、上の世代よりもはるかに迅速に適応し、方向転換しなければならないと感じているという。常にランニングマシンに乗っているような感覚を覚えるなかで、彼らの一部が「AIの影響を受けないキャリア」へと舵を切ろうとするのも不思議ではない。
真の問題はAIなのか、それともトレーニング不足なのか
もしあなたがZ世代であるなら、問題は必ずしもAIそのものではない。たとえAIが仕事や私生活のあらゆる部分に迫ってきているように感じられたとしてもだ。多くの場合、問題はトレーニングのギャップにある。新しいツールを渡されたものの、何から始めればよいのか分からないという感覚だ。
アーカンソー州立大学の調査では、Z世代の52%が日常的にこうした圧倒されるような感覚を抱いていることが分かった。なぜか。同調査では、43%が雇用主から公式なAIトレーニングを受けておらず、勤務時間外にこれらの新しいスキルを独学で身につけなければならない状況にあることも判明しているからだ。マンパワーグループの「2026年グローバル・タレント・バロメーター」でも、同様の事実が示されている。同調査によると、AIの導入が急速に進むなか、世界の労働力の56%が最近トレーニングを受けていないと回答している。
では、不安を抱える状態から適応力のある状態へ移行するには
AIへの不安から身動きが取れなくなったとき、どのようにして前に進めばよいのだろうか。凍りついた状態を打破し、前進するための3つのヒントを紹介する。
- 助けを求める:行き詰まりを感じているとき、誰かに連絡を取ることは頭に浮かびにくいかもしれない。しかし、大半の企業には必要なサポートやリソースが用意されている。まずは自分から一歩を踏み出し、求めているものを伝えるだけでよい。
- AIをツールとして活用する:AIと協働し、自分に有利に働かせる方法を探すことだ。ClaudeなどのAIツールを活用してタスクのスケジュール管理をしたり、フォルダを整理したり、生産性を低下させる雑務を削減したりすることができる。
- ソフトスキルに投資する:AIは今後も進化を続け、将来のあらゆる職業に導入されていくだろう。AIによる停滞から柔軟な適応へと移行したいのであれば、自動化できないスキルに投資することが最善の方法の1つだ。
AIへの不安でキャリアを凍りつかせてはいけない
あなたが経験しているAIへの不安による停滞は現実のものだ。あなたはひとりではない。しかし、前に進み、キャリアを解きほぐす方法はある。



