中東に展開していた米海軍のニミッツ級原子力空母「エイブラハム・リンカーン(CVN-72)」が2日、タイ中部のレムチャバン港に到着した。米海軍で最大級の軍艦であるエイブラハム・リンカーンが寄港するのは200日以上ぶりだ。
USS Abraham Lincoln (CVN 72) Nimitz-class aircraft carrier arriving in Laem Chabang, Thailand - September 2, 2026 SRC: https://t.co/WruWV8UGXr / Reuters pic.twitter.com/7JmWvIUeA0
— WarshipCam (@WarshipCam) September 2, 2026
近隣の港町パタヤは今年、観光業があまり振るわない状況が続いてきたため、米海軍軍人・海兵隊員約5000人を乗せたエイブラハム・リンカーンの寄港は歓迎された。ただ、地元当局は、市内でナイトライフなどの娯楽を楽しもうとする乗組員側に、やってよいこと、やってはいけないことについて注意も喚起している。
世界各地の戦略港の近辺には、米海軍の空母打撃群(CSG)などの大型艦が寄港し、乗組員に短期の上陸許可が出される時にだけ営業するような飲み屋や娯楽施設もある。1回の寄港による収入だけで、年間の賃料や営業費用を賄えることも少なくないからだ。
米海軍の軍艦を迎えているのはタイの港だけではない。
米海軍は1日、バージニア級攻撃型原子潜水艦「デラウェア(SSN-791)」が同日、定例の港湾訪問のためノルウェーのグルーツネ港に到着したと公表した。
この寄港が注目されるのは、米海軍は作戦保全上の理由から、どの潜水艦がどこにいるかを公表することは普通しないからだ。米海軍はデラウェアの今回の寄港に関し、「米海軍の潜水艦は海洋状況把握の提供と地域の安全・安定確保のため、普段からハイノース(極北)で行動している」と述べている(編集注:ノルウェーのオンライン新聞「バレンツ・オブザーバー」によると、北極周辺海域では最近、ロシアの潜水艦少なくとも4隻による試験などの動向が北大西洋条約機構=NATO=の注意を引いており、デラウェアの寄港公表はロシア側にシグナルを送る狙いがあった可能性が指摘されている)。
デラウェアは今年3月、北極点で浮上していた。
もっともデラウェアの場合、乗組員は132人前後とされるので、寄港による地元経済への効果はあまり大きくないかもしれない。
米海軍の主力攻撃型原潜
バージニア級潜水艦は現在、米海軍の対地・対水上艦艇・対潜水艦攻撃任務用の主力潜水艦となっており、兵装には巡航ミサイルや魚雷が含まれる。
バージニア級潜水艦は、冷戦時代の老朽化したロサンゼルス級潜水艦を更新するために開発され、最新のステルス技術や兵器システムを採用した設計になっている。対潜水艦戦や情報収集を含め、さまざまな外洋任務と沿岸任務に対応できる。
米海軍の説明によれば、「高速攻撃潜水艦」とも呼ぶ攻撃型潜水艦は「海軍の海洋戦略上6つある中核能力のうち5つ、すなわち制海、戦力投射、前方プレゼンス、海洋安全保障、抑止を可能にする多任務プラットフォーム」であり、対潜水艦戦や対艦戦、打撃戦、特殊作戦、情報・監視・偵察、非正規戦、無人システムの運用で優れた能力を発揮できるように設計されている。



