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ビジネス

2026.09.05 13:44

AI時代に優秀なバーチャルアシスタントの価値が高まる理由

stock.adobe.com

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この2年間、アウトソーシング業界では同じ予測が繰り返し語られてきた。AIがバーチャルアシスタント(VA)、海外のサポートチーム、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の従業員に取って代わる、というものだ。

しかし、業界の内側から見ていると、まったく異なる現実が見えてくる。私たちは複数の業界にわたる数千人ものリモートエージェントやVAと協働しているが、AIがチームの最も優秀な人材に取って代わることはない。それどころか、彼らが生み出せる価値を高めているのを、私は目の当たりにしてきた。

反復的な業務の領域が縮小する一方で、判断を要する業務の重要性と必要性は高まっている。世界経済フォーラム(WEF)の「Future of Jobs Report」は、組織が日常のワークフローにAIをより多く組み込むなかで、分析的思考、レジリエンス、柔軟性、リーダーシップの重要性が増していると指摘している。

そのため、優れたリモートワーカーの価値は大きく高まっている。リモートサポート職は、単なるニッチなアウトソーシングソリューションにとどまらず、現代の事業運営にますます組み込まれている。Future Market Insightsによると、バーチャルアシスタントサービス市場は2025年から2035年にかけて184%成長すると見込まれている。

旧来のアウトソーシングモデルは「量」を評価してきた

長年、アウトソーシング業界は単純な方程式で成り立っていた。低コストの労働力を提供し、業務を効率的に管理し、人員数によって拡大する、というものだ。このモデルは一部の状況では今も機能するが、それだけで正当化することは難しくなっている。

現在、AIは会議を要約し、メールの下書きを作成し、メモを整理し、チケットを分類し、顧客対応を支援できる。かつてVAの1日の大部分を占めていた業務は、今ではごく短時間で完了できる。

一見すると、これは業界にとって脅威に映るかもしれない。しかし実際には、反復作業が圧縮されることで、優秀なチームメンバーは飛躍的に効果を発揮できるようになる。かつてレポートの体裁を整えるのに何時間も費やしていたVAは、今では顧客とのコミュニケーション改善により多くの時間を使える。かつて手作業で情報を整理していたアカウントマネージャーは、応答性、品質管理、関係管理により集中できる。

仕事の中身は変わる。人間の価値はより高度な領域へと移行する。AIが日常的な実行業務をより多く担うにつれ、コミュニケーション、判断、問題解決、関係管理の価値は今後も高まり続ける可能性が高い。

優秀なリモートワーカーがより早く頭角を現す

私の経験では、AIは平均的な人材と卓越した人材の質の差をこれまでよりはるかに速く浮き彫りにする。以前は、反復的な実行業務に埋もれている人でも生産的に見えることがあった。今ではAIが相当量の管理業務を肩代わりできるため、より高い主体性を持って動ける人材を、より容易かつ迅速に見分けられる。

この環境で最も成果を上げているのは、AIの出力に盲目的に依存する人ではない。私が見てきた最も成功しているリモートワーカーは、ツールをどう導くか、情報をどう検証するか、明確にどう伝えるか、そして何か違和感があるときにどう判断するかを理解している。そうした人間のスキルセットは、価値を失うどころか、むしろ高まっている。

Microsoftの「Work Trend Index」は、AI導入が加速するなかで、組織が品質管理、批判的思考、判断、AIシステムと人間がともに働くためのワークフロー設計といった人間のスキルをより重視していることを示している。これは当社でも同様で、採用時には適応力、コミュニケーション、批判的思考をより重視するようになっている。技術スキルは今も重要だが、AIシステムと賢く協働する能力も、今や同じくらい重要だと私は考える。

「時間」の切り売りから「解決策」の提供へ

アウトソーシング企業が犯す最大の過ちの1つは、働いた時間を軸にサービスをパッケージし続けることだ。しかし、顧客が時間を気にすることはほとんどない。顧客が求めているのは解決策である。応答時間、整理された運用、信頼性、顧客体験、より速い実行、より良いコミュニケーションを重視している。AIはサービス企業に、自分たちが実際に何を売っているのかを見直す機会を与えている。

価値提案のすべてが手作業による実行だけに基づいているなら、AIは圧力となる。しかし、価値提案が顧客の事業運営をより良くすることに基づいているなら、AIはチームが提供する価値を高めることができる。この違いは重要だ。

テクノロジーと可視性を組み合わせる

AIツールを追加するだけで、事業が自動的に改善するわけではない。テクノロジーは既存の強みと弱みを増幅する。私が見てきた、AIの恩恵を最も受けている企業は、もともと強固なオペレーション、優れたリーダーシップ、有能な人材を備えていた。

当社では、運用の可視性を高めることでリモートチームのパフォーマンスが改善することがわかっている。スタンフォード大学の2025年の調査は、その可視性が通常いかに限られているかを示しており、「企業の70%は従業員が出社勤務の要件を満たしているかを監視しておらず、75%は従業員がどの程度在宅勤務(WFH)しているかを追跡していない」としている。ワークフローや集中時間のパターンを可視化する分析を活用することで、当社のマネージャーは手作業による報告よりも早くボトルネックや燃え尽きを把握できている。ワークフローのパターン、生産性の傾向、運用上の摩擦をよりよく可視化することは、意思決定と説明責任の向上につながりやすい。

とはいえ、ソフトウェアそのものが優位性なのではない。本当の優位性は、優秀な人材とより良いシステムを組み合わせることにある。レバレッジが生まれるのは、この組み合わせにおいてだ。

経営者は今、何に注力すべきか

リモートチームを活用する経営者にとって、特に注意を払うべき重要な変化が3つ起きていると私は考える。

1. 反復的な業務はますます自動化されている。つまり、人間のチームメンバーはコミュニケーション、意思決定、顧客対応の責任により多くの時間を費やすべきだということだ。

2. 採用基準は変化している。最も価値のある人材は、迅速に適応し、批判的に考え、AIシステムと効果的に協働できる人へと移りつつある。

3. サービス企業は価格設定とポジショニングを見直す必要がある。AIが反復的な実行業務の価値を下げるなかで、低コスト労働力だけで競争することは難しくなる。応答性、整理された運用、成果で競争するほうが、より防御力のある立場を築ける。

AI導入に関するマッキンゼーの調査は、テクノロジーだけでは不十分であり、組織のプロセス、人材育成、マネジメント慣行が成果を左右するうえで大きな役割を果たすと一貫して指摘している。テクノロジーだけで持続可能な競争優位を生み出すことはめったにない。

アウトソーシング業界が変化していることは間違いない。しかし、人間を完全に置き換えるどころか、AIを活用して優秀な人材を大幅に効果的にできる方法を見いだした企業こそが、今後数年で先行していくと私は考えている。最高のバーチャルアシスタントは、AIによって時代遅れになっているのではない。むしろ以前より価値を高めている。

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