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2026.09.08 11:30

AIは金融アドバイザーの仕事を奪わず、むしろ腕を上げさせている

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AIが売買の判断まで担っても、最後は人間が決める

2022年にニューヨークで創業したMoment(モーメント)は、顧客のポートフォリオをどう組み替えるかの判断を助ける。アドバイザーはAIエージェントに顧客の保有銘柄を渡し、分散を高めたい、特定の1銘柄への集中を減らしたいといった要望を言葉で伝える。エージェントがその要望を解釈し、Momentのソフトウェアが、税金と、アドバイザーが所属する会社の投資ルールを踏まえて、どの銘柄を買い、どれを売るかを計算する。実際に売買が執行される前には、必ず人間が承認する。

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AIが事務作業を超えて、資産アドバイスの中核にある分析の仕事にまで踏み込んでも、BCGのファジェスはAIがアドバイザーに取って代わるとは考えていない。専門知識や分析技術を要する業務の比重が下がるほど、顧客と向き合う姿勢や共感の力がいっそう重要になる、というのが彼の見方だ。

「ものを言うのは信頼です」とファジェスは言う。「お金を持っている人の多くは、十分な知識がないか、知りたいと思っていないか、知るための時間を使いたくないかのいずれかで、自分の判断が適切かどうかを誰かに確かめてもらう必要があるのです」。

事務スタッフを置かない新興運用会社が、2人で超富裕層6家族を担当

AIがファイナンシャルアドバイザーに取って代わらないとしても、事務を支える人員は大幅に減る可能性がある。サンフランシスコに拠点を置く新興のウェルスマネジメント会社Waypoint West(ウェイポイント・ウェスト)は、アドバイザー自身がAIを使い、必要な仕組みを自分たちでつくる例の先駆けだ。

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きょうだいのヘイリー・シェイファーとブルックス・シェイファーは、ブラックロック、ICONIQキャピタル、アルケオン・キャピタルを経て、2025年にWaypointを立ち上げた。セールスフォースに小さな変更を加えるだけでも4〜6週間かかることに嫌気が差した2人は、AirtableとAnthropicのClaudeを使って、週末の間に自前のCRMを作り上げた。今では顧客について新しい項目を記録したくなったら、それをシステムに追加し、過去の面談メモを検索して1時間以内にデータを埋められる。

創業から1年近くたつ今も、Waypoint Westはこの2人だけで運営され、超富裕層6家族の資産を預かっている。ヘイリー・シェイファーによれば、見込み客のポートフォリオを分析し、裏づけとなる調査をまとめるといった仕事は、従来型の会社なら専任のアナリストが必要だった。「AIがなかった昔の世界なら、この時点で誰も雇わずにブルックスと私だけで事業を回しているなどということはあり得ませんでした」と彼女は言う。

もっとも、シェイファーが見ている利点は、少人数で回せるということだけではない。AIは、次の世代の富裕層を顧客として獲得する助けにもなると、彼女は考えている。

「次の世代が気にしているのは、資産が自分の生活や時間の使い方にどう影響するかということです」と彼女は言う。「その人に完全に合わせた提案を、私はとても速くまとめられます。しかもAIのおかげで、それを多くの顧客に対して行えるのです」。

(forbes.com 原文)

翻訳=酒匂寛

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