サービス

2026.09.08 11:30

AIは金融アドバイザーの仕事を奪わず、むしろ腕を上げさせている

stock.adobe.com

AIは事務作業を越え、相続や運用の判断にまで踏み込む

規模の大きな会社では、1人の顧客に関する情報が、投資口座、保険契約、ローン、資産計画、面談履歴といった別々のシステムに散らばっていることがある。ニューヨークを拠点とするAvantos(アバントス)は、それらの情報をつなぎ、AIエージェントがアドバイザーの次の一手を示せるようにする。

advertisement

共同創業者のバッサム・チャプティーニによれば、たとえば顧客に子どもが生まれた場合、ソフトウェアは529プラン(米国の教育資金向け税制優遇制度)について話し合うことや、遺言書の内容を更新することを提案するかもしれない。チャプティーニは、マーサー・アドバイザーズやガーディアン・ライフといった顧客企業で、1人のアドバイザーが担当できる顧客数が最大30%増えたと述べている。

「この業界の買い手は、伝統的にきわめて保守的です。しかし、AI導入の局面は2年前とはまったく別のところに来ています」と話すのは、2025年7月にAvantosの2500万ドル(約39億円)のシリーズAを主導したベッセマー・ベンチャー・パートナーズのエリック・カプランだ。「どの会社の役員会も、自社の事業に最も適した形でAIをどう取り入れるかを議論しています」。

顧客が亡くなった後に遺産がどう渡るか、AIが図で示す

AIは、資産アドバイスのより専門的な領域にも入り込んでいる。共同創業者でアライアンス・バーンスタインの元幹部であるデビッド・バーナードによれば、ニューヨークを拠点とするLuminary(ルミナリー)は、顧客が今日亡くなったとしたらその資産がどうなるのかを、アドバイザーが把握できるようにする。同社のソフトウェアはOpenAIのモデルを使って遺言書や信託契約書といった書類を読み取り、顧客の資産情報と突き合わせて、遺産がどう分配されるのかを図に描き出す。

advertisement

「人が本当に気にかけているのは、『自分の子どもたちは大丈夫だろうか』ということです」とバーナードは言う。「富裕層の顧客にとって最も重要なのはそこなのに、これまでどのアドバイザーも、こうした問いに迅速に答えるための道具を持っていませんでした。まして、こちらから先回りして示すことなど、できるはずもありませんでした」。

次ページ > AIが売買の判断まで担っても、最後は人間が決める

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事