AI

2026.09.07 09:30

企業AIの未来を決めるのは、単一モデルではなく最適な組み合わせだ

stock.adobe.com

stock.adobe.com

あらゆる用途に使える万能かつ単一のAIモデルが存在する。この思い込みは、あまりに長い間業界に居座ってきた。理屈としては聞こえのいい考え方だが、そこからようやく抜け出す動きが出てきた。業界はこれを乗り越えつつある。歓迎すべき変化だ。

実際、現在のLLM(大規模言語モデル)の統計を見てみよう。ChatGPTの市場シェアは59%を超え、Claudeは2.9%、Perplexityは8.3%、グーグルのGeminiは12.8%、マイクロソフトのCopilotは15.2%である。

(開示: グーグルとマイクロソフトは、筆者が創業したクリエイティブ・ストラテジーズの調査サービスを契約している多数のグローバルテクノロジー企業に含まれる)

AIは1つの製品ですべてをまかなえる市場ではない。私はかなり前からそう言い続けてきた。レベッカ・ベランによる最近のTechCrunchの記事は、フロンティアモデル(最先端の汎用大規模モデル)の優劣にこだわる姿勢から、具体的な用途を重視する姿勢への変化を映している。市場の発展にとって1つの転換点である。

最適なモデルは、仕事の内容で決まる

はっきりしてきたことがある。AIで成否を分けるのは、最も巨大で強力なモデルであるかどうかではない。むしろ、モデルを個々のタスクにどれだけうまく合わせられるかで決まる。

仕事の種類が違えば、求められる性質も違う。複雑な推論、調査、高度な文章生成といったタスクでは、フロンティアモデルが価値を発揮する。こうした用途なら、規模と処理能力は計算コストに見合う。

だが、現実の用途の多くは、そこまで広い汎用性を必要としない。それどころか、特定の領域に最適化された小型の専用モデルのほうが向いている場合さえある。小型モデルなら、結果をより速く返し、運用コストも抑えられる。出力を細かく制御できるという利点もある。企業システムや製品に組み込む場面では、この制御性が欠かせないこともある。

オープンでカスタマイズできるモデルへの需要が高まっていることも、目に見えるかたちで表れている。この種のモデルなら、自社固有のデータや業務の流れ、顧客の要件に合わせて、システムを細かく調整(fine-tune)できる。大規模で閉じたフロンティアシステムだけでは、これははるかに難しい。

次ページ > AI戦略は、規模の追求から用途への適合へ

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事