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2026.09.07 08:00

中央銀行が金を積み増す理由、ドル中心の外貨準備体制に広がる変化

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金と実質金利の関係が逆転、中央銀行の購入が相場を支える

短期的な材料の影響が弱まっている点は、特に重要だ。金と実質金利の関係が、何十年も続いてきた傾向とは逆になっているためである。金は利息を生まないため、実質利回りが上がれば、利回りを得られる債券に比べて魅力が薄れる。従来、金価格は実質金利と逆方向に動く傾向があった。インフレが鈍化する中、米10年国債の利回りは約4.8%にある。この組み合わせからみると、近年の水準と比べて実質利回りは明確なプラス圏にある。

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従来なら、こうした環境は金価格への下押し圧力になるはずだった。実際には、その下押し圧力があっても、金は2026年1月に最高値を相次いで更新した。実質利回りを軸に金価格を見る従来の考え方が、無意味になったわけではない。今のところ、中央銀行が準備資産として金を継続的に購入していることの方が、金価格に強く影響している。中央銀行は、民間投資家の需要を左右する要因と同じ材料を見て金の購入量を決めているわけではない。

金の長期保有を再評価、従来の2~5%配分も検討対象に

ポートフォリオでは、この違いが金をどの程度組み入れるか、金に何を期待するかに実務上の差を生む。金価格の上昇が純粋にインフレを見込んだ取引なら、インフレが明確に抑え込まれた段階で保有を減らす、短期的な投資対象として扱っても合理的だ。

インフレ取引なら短期、準備資産の分散なら金を長期保有

上昇分の相当部分が、各国の外貨準備をドルだけに依存させる形から、複数の資産へ分散する方向への緩やかで長期的な組み替えを反映しているなら、考え方は変わる。金を一時的に保有するのではなく、ポートフォリオに長期的に一定割合を組み入れておく根拠が大きく強まる。その理由は、金購入を支える力が、特定の米国経済指標の変化だけに結び付いているわけではないためだ。

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機関投資家向けに使われる資産配分モデルの多くは、これまで分散ポートフォリオの2~5%を金に充てることを示唆してきた。主な理由は、金と株式の相関が低いことと、市場が急激に混乱した局面で金が示す値動きにある。各国が外貨準備を分散させる動きが金需要を支えているという見方に立てば、資産配分を決める担当者には、2~5%という従来の範囲を改めて検討する理由が生じる。過去の相場で金が果たした役割ではなく、現在の環境で果たしている役割に、その範囲が合っているかが問題になる。

実質金利と投機資金、中央銀行の金購入減少も将来のリスク

外貨準備の分散が金需要を支えているという見方にも、現実的なリスクがある。ここは明確にしておく必要がある。金は保有していても収益を生まない。米国連邦準備制度理事会(FRB)が市場の予想より長く引き締め的な政策を続け、高い実質金利が長期化すれば、債券や現金を保有する場合と比べて、金を保有する機会費用は依然として大きい。

投機資金が金ETFや先物へ流入、長期上昇の途中でも急落リスク

過去最高値圏で進む上昇相場には、特に金ETF(上場投資信託)や先物市場を通じて、短期の投機資金も流入する。長期的な買い需要に短期資金による相場変動が重なるため、長期の上昇基調が続くとしても、短期には大幅な下落が十分に起こり得る。

中央銀行の金購入が減る可能性、需要を支えた買い手後退も

中央銀行による金購入が反転する可能性もある。地政学的リスクが落ち着けば、中央銀行の購入量が減る可能性がある。外貨準備を運用する担当者が、金の配分比率は十分な分散を達成できる水準に達したと判断し、追加購入の効果が薄れた場合も同様だ。中央銀行の金購入が反転すれば、今回の上昇局面で需要の大きな部分を生み出してきた中央銀行という買い手が後退する。

現在の金投資を支える論拠は、過去の上昇局面とは確かに異なる土台に立っている。だが、土台が違うからといって盤石とは限らない。投資家は、その点を踏まえて金の組み入れ比率を決めるべきだ。

forbes.com 原文

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