欧州最大の自動車メーカーが、雇用と工場をめぐる決断を先送りできなくなった。フォルクスワーゲンの監査役会は現地時間9月3日の夜、大規模な再建策を承認した。ドイツの大企業では監査役会が経営の最終的な決定権を握り、フォルクスワーゲンでは議決権の過半数を持つ大株主ポルシェSEと、労働組合側や議決権20%を持つニーダーザクセン州とが向き合ってきた。両者の対立は埋まらないとみられていた。
最高経営責任者(CEO)のオリバー・ブルーメが求めていたのは、10万人の雇用削減、4工場の閉鎖、車種の大幅な削減と簡素化、そして設備投資の大幅な圧縮である。人員削減も工場閉鎖も、経営側の一存では決められない。
突然まとまった再建合意が何を意味するのか、判断しかねている投資家がいるなら、手がかりになる数字が1つある。株価の上昇率だ。フォルクスワーゲン株は翌9月4日、6.23%高で取引を終えた。
投資家はいつもの譲歩を予想し、株価は下げ圧力を受けていた
合意に至るまでの数日間、株価は下げ圧力にさらされていた。投資家が予想していたのは、フォルクスワーゲンの監査役会がこれまで繰り返してきたような結末である。労働組合への大幅な譲歩、実務面でのわずかな前進、そして細部に隠された多くの悪材料だ。
9月3日の夜に発表された合意は、どこを取っても意表を突く内容だった。フォルクスワーゲンが会社の存続に関わる窮地にあるという認識は、労使の間で広く共有されていた。それでも、ブルーメが求めた変革の深さと広さは、労働組合が受け入れられる限度を超えていると考えられていた。



