SemiAnalysisのチップ、AI、AI特化型クラウドに関するニュースレターや調査報告書は、テック投資家にとって必読になっている。しかし、パテルとFluidstackの関係は現在、1月に解雇された元従業員ウェイ・ジョウとの法廷闘争の渦中にある。SemiAnalysisは、ジョウが契約に違反して営業秘密を共有したとして、訴訟を起こした。その数日前に、ジョウも自ら訴えを起こしていた。ジョウは訴状で、「パテルがFluidstackから得たTPUに関する機密データをSemiAnalysisの報告書に含めるよう、自分に求めた」と主張した。その非公開データはNVIDIAやGoogle、その他の株式の株価に影響を与える可能性があり、証券法に違反する恐れがあるとジョウは訴状で述べた。両訴訟は現在、仲裁に移されている。
SemiAnalysisとウェイ・ジョウは米国版Forbesのコメント要請に応じなかった。ディラン・パテルは公式なコメントを控えた。
ところで、AIスタートアップへの最も活発な支援者の1社が、Fluidstackの支援者リストから明らかに抜け落ちている。NVIDIAだ。時価総額5兆ドル(約779兆円)のチップ巨人は、CoreWeave、Nebius、Crusoeなど、同社のチップへのアクセスを提供する新世代のクラウド企業を生み出すために数千億円を投じてきた。Fluidstackは、同社が支援していないおそらく唯一のネオクラウド系データセンター建設企業である。
Fluidstackは、最大顧客からの忠誠さえ得ているわけではない。同社はAnthropicのチップ支出の一部を確保する態勢にあるのかもしれない。投資家向けメモは、Anthropicが2027年、新たに4ギガワットの計算能力を必要とすると見積もっている(Anthropicはこの数字に関する質問に回答しなかった)。しかし同社は、xAIやAmazon、Googleクラウドからもチップを借りている。8月下旬だけで、競合する英NscaleおよびLambdaと総額750億ドル(約11兆7000億円)の契約を結んだ。両社はいずれもNVIDIAの支援を受けている。
いまNVIDIAは、自社チップで稼働する新たなデータセンターに資金を供給するため、金融業界とGoogle型の5000億ドル(約77兆9000億円)規模の取り決めを進めている。Googleの勢力圏にここまで深く踏み込むことで、Fluidstackはこのさらに大きな賞金を逃すリスクを負っているのかもしれない。


