Fluidstackはこうした動きの中心にいる。Googleが裏付ける数千億円規模の契約を通じて、複数の暗号資産マイナーが持つ余剰電力の確保を支援しているのだ。2025年11月、AnthropicはFluidstackが建設する新たなデータセンターに500億ドル(約7兆7900億円)を投資すると発表した。これは1ギガワット分の計算能力に相当する投資だ。Anthropicによる100万個規模のTPU展開に向けてデータセンターを建設することで、FluidstackはGoogle以外で公に知られた初のTPUデータセンター運営企業になったようだ。
Googleは、自社のデータセンターでTPUを外部利用している顧客として公表されているのはAnthropicのみであると認めた。Anthropicは、計算リソース戦略において分散型のアプローチを取っており、GoogleとNVIDIA、AMD、Amazon Web Services(AWS)のハードウェアを使用しており、現在、独自のカスタムチップも開発している。Fluidstackはコメントを控えた。
Morgan Stanleyは、Googleが2027年、チップ販売だけで130億ドル(約2兆300億円)を稼ぐ可能性があると推計した。
Fluidstackのベンチャーキャピタル支援者の1社が公表した投資メモによると、同社は2026年、10カ所超の拠点で最大1.3ギガワットの電力を管理する見通しだという。同メモは、Fluidstackの売上高が2026年に6億6000万ドル(約1030億円)へ拡大し、前年の2億ドル(約312億円)から3倍超になると予測している。Fluidstackは、2030年までには17ギガワット超の拠点を管理する目標で、投資銀行Jefferiesの報告書によれば、これはAmazonとMicrosoftが現在米国で保有するデータセンター容量の合計を上回る。
Fluidstackの時価総額は近く、上場している次世代型クラウド事業者Nebius Groupの574億ドル(約8兆9500億円)を上回る可能性がある。Nebiusは、2026年に1ギガワットのAIデータセンターを稼働させる計画で、時価総額470億ドル(約7兆3300億円)の競合CoreWeaveも、年末までに電力基盤を1.5ギガワットへ拡大する計画を明らかにしている。NebiusとCoreWeaveはFluidstackとは異なるビジネスモデルを取る。NebiusとCoreWeaveは、ほぼすべてでNVIDIA製GPUを購入し、それを貸し出す。それに対してFluidstackは、チップを直接購入するのではなく、自社でデータセンターを建設し、チップを収容するスペースを貸すことで、はるかに速く動けると考えている。


